オルバーン氏退き、ラデフ氏登場…ブルガリア「親露」前大統領、総選挙で圧勝

19日(現地時間)に行われたブルガリア総選挙で、親ロシア派のルメン・ラデフ前大統領(62歳)が率いる「進歩ブルガリア(PB)」が圧勝した。
ブルガリア通信(BTA)によると、PBは開票率14.8%の段階で得票率43.7%を記録した。事前予測の40%を上回り、圧倒的な首位を維持している。
続いて、親EU派の「変革を継続する(PP)」・「民主的ブルガリア(DB)」連合が15.2%を獲得し、現与党である中道右派の「欧州の発展のためのブルガリア市民(GERB)」・「民主勢力同盟(UDF)」連合は12.5%にとどまり、3位へ後退した。
また、強硬民族主義かつ親ロシア傾向の「復興党(ヴァズラジュダネ)」は5.9%、「権利と自由のための運動(MRF)」は4.4%の得票となっている。
単独過半数の可能性も…連立政権構築は難航か
議席獲得に必要な4%を上回った政党は4~5党とみられている。これを基に、PBは全240議席中、過半数となる120議席以上を確保する可能性が高いとBTAは報じている。
現地世論調査機関アルファリサーチの予測では、PBは得票率44.2%で129議席を獲得する見通しだ。これに対し、GERB・UDFは13.4%で39議席、PP・DBは12.6%で37議席、MRFは7.8%で23議席、バズラジュダネは4%で12議席を得ると予測されている。
ただし最終結果と議席配分の正式発表は23日ごろの予定で、今後状況が変わる可能性もある。
PBが単独過半数に届かない場合は連立政権の樹立が必要となる。しかしブルガリアでは過去5年間で8回もの総選挙が行われるなど政治的分断が深刻で、連立交渉は難航するとの見方が強い。米政治メディアのポリティコは、ラデフ氏が親EU勢力と組むのか、それとも親ロシア寄りの連立を模索するのかが焦点になると指摘している。
戦闘機パイロット出身の大統領
ラデフ氏は空軍司令官出身の政治家である。
MiG-29戦闘機の元パイロットで、大統領在任中には航空ショーで高度な曲技飛行を披露するなど、卓越した操縦技術を持つベテランパイロットとして知られていた。
2016年に大統領に当選し、2021年には再選を果たした。その後、今回の総選挙への出馬のため今年1月に辞任し、「進歩ブルガリア党」を創設している。
大統領在任中はボイコ・ボリソフ首相をたびたび批判した。2019年の年頭演説では、ボリソフ政権が汚職や物価問題に対応できず、法の支配を後退させたと非難し、さらに過去2年半で計19回の拒否権を行使している。ボリソフ氏は2009〜2021年にかけて3期通算9年にわたり首相を務め、ブルガリアで最も長く政権を担った首相として知られている。

ウクライナ支援に反対、ユーロ圏加盟にも批判的…EUとロシア関係の行方に注目
ラデフ氏は親ロシア派と評価されており、大統領在任中の9年間、一貫してロシアに友好的な姿勢を示してきた。ウクライナ支援には反対し、ロシアとの関係修復を求めてきた。最近では、政府がウォロディミル・ゼレンスキー大統領との安全保障協定を急いで締結したことを批判し、1月のユーロ圏加盟決定についても国民投票にかけるべきだったと主張した。
ポリティコも、「ラデフ氏はウクライナに和平交渉を促し、武器供与には反対してきた。クリミア半島はロシア領だとする彼の主張は戦略的現実を反映している」と指摘している。さらに、「今年のユーロ圏加盟にも批判的で、新通貨がインフレを助長したと主張している」と伝えている。
特に今回の結果は、先週、親ロシア派とされるハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相が総選挙で大敗した直後に出たものである。
ワシントン・ポストは、ブルガリア総選挙の結果がEU内での支持基盤の再構築を目指すロシアにとって重要な意味を持つと指摘した。ただし、オルバン氏が極右的立場であるのに対し、ラデフ氏は左派寄りとされる点で違いがある。
元駐ロシア・ブルガリア大使のイリアン・ヴァシレフ氏は「ロシアはハンガリーでオルバン首相を失った空白を、少なくとも部分的にでも埋めたいと考えている」とした上で、「ブルガリアがその役割を担うことを期待している可能性が非常に高い」と分析している。
一方、ラデフ氏は選挙運動中、「自分が親ロシア的立場だとは考えていない。完全に親ブルガリア的であり、親欧州的だ」と強調した。
















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