
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政府が、パレスチナ人収容者に対する広範な性的虐待疑惑を報じた米ニューヨーク・タイムズ(NYT)のコラムについて、名誉毀損訴訟を提起する方針を明らかにした。
米CBSニュースなどによると、ネタニヤフ首相府は14日(現地時間)の声明で「これはイスラエル国家に対してこれまで流布された中でも、最も悪質かつ歪曲された虚偽の一つだ」と批判したという。そのうえで、ネタニヤフ首相とイスラエルのギドン・サール外相がNYTに対する名誉毀損訴訟の提起を指示したと明らかにした。
問題となったコラムは11日にNYTへ掲載された。記者のニコラス・クリストフ氏は、イスラエル治安部隊や入植者から性的暴行被害を受けたと主張する男女14人へのインタビューをもとに、組織的な虐待が行われていた可能性を指摘した。
クリストフ記者は「イスラエル指導部が性的暴行を直接指示した証拠はない」としながらも「国連報告書でも指摘されたように、イスラエルは近年『標準的な作戦手順』であり『パレスチナ人虐待の主要要素』ともいえる治安体制を構築してきた」と主張した。
さらに、人権団体ユーロ・メッド人権モニターが先月公表した報告書に触れ「イスラエルが組織的な国家政策の一環として、広範かつ体系的な性暴力を用いている」との見方が示されたと説明した。
これに対し、ネタニヤフ首相はX(旧ツイッター)で「法務顧問らがNYTとクリストフ記者に対して最も強力な法的措置を検討する」と警告した。
一方、NYT側は「十分な取材に基づいたオピニオン記事だ」と反論し「記者が取材した14人の証言については、家族や弁護士など被害者が信頼する関係者の証言を通じて可能な限り確認を行った」と説明した。
また「記事の詳細は徹底した事実確認を経ており、報道内容はニュース記事や人権団体による独立調査、世論調査、さらに一部では国連証言とも照合した」と強調した。加えて「取材と事実確認の全過程で独立した専門家の助言を受けた」とし、記事内容に問題はないとの立場を示した。
訴訟が米国とイスラエルのどちらで提起されるかは明らかになっていない。法律専門家は「米国では外国政府が名誉毀損訴訟を起こすことはできない」と指摘しており、仮にネタニヤフ首相や政府高官が個人として提訴した場合でも、勝訴のハードルは高いとの見方を示している。
一方、トランプ大統領もNYT報道に強く反発していた。11日には、イラン戦争を巡る意思決定過程や協議内容が詳細に報道されたことについて「国家安全保障上の問題だ」として情報源の開示を要求した。トランプ大統領は関連報道を「反逆行為」と位置付け、司法長官代行のトッド・ブランシュ氏に調査を指示したという。
















コメント0