頼清徳総統「台湾海峡の現状変更阻止が目標」…中国「統一は阻止できない」

頼清徳(らい・せいとく)総統は就任2周年の国民向け演説で、「台湾海峡の平和と安定を維持し、外部勢力による現状変更を阻止することが台湾の国家戦略目標だ」と述べ、中国の対台湾統一戦線戦略を強く批判した。
頼総統は20日、総統府で行われた就任2周年演説で、民主主義の防衛や台湾海峡の安定維持、経済発展など3つの国政方針を示し、「この2年間、一歩たりとも平坦な道ではなかった」と語った。
また、「台湾海峡の平和と安定を維持し、外部勢力による現状変更を阻止することが台湾の国家戦略目標だ」としたうえで、「台湾は国際社会の責任ある一員であり、安定を破壊する側ではない」と強調した。
さらに、「対等と尊厳の原則の下、中国との健全で秩序ある交流を望む」としながらも、「平和を装った統一」方式の統一戦線工作については「断固として拒否する」と述べた。
続けて、「歴史は『平和は単なる善意だけでは成り立たず、譲歩や幻想の上に築かれるものでもない』ことを示している」とし、「平和は団結によって国力を強化し、明確な国家意思と国際的な民主主義パートナーとの緊密な協力を通じて、実力によって勝ち取らなければならない」と強調した。
また、「台湾国民は過去30年間、選挙を通じて平和を重視しながらも自由を放棄せず、対話を望みながらも屈辱は受け入れず、安定を追求しながらも主権と民主的な生活様式を犠牲にしない姿勢を、世界に繰り返し示してきた」と述べた。
さらに、「民主主義は台湾において最も重要な価値だ」としたうえで、「30年前の1996年、初の総統直接選挙の際、数千万の台湾国民は中国のミサイル威嚇にも屈することなく投票所へ向かい、76%を超える投票率で台湾民主主義の新時代を切り開いた」と評価した。
続けて、「台湾の未来は外部勢力によって決められるものではなく、恐怖や分断、短期的利益に左右されてもならない」とし、「台湾の未来は2300万人の国民が共に決定すべきだ」と訴えた。
与野党対立については、「政党間で競争はあっても、国家が分裂してはならない」としたうえで、「外部からの脅威に直面した際には、国民が団結して国家利益を守らなければならない」と呼びかけた。
安全保障分野については、自身の任期中に国防改革や非対称戦力の強化、全民防衛体制の構築を継続的に推進してきたと説明した。続けて、「国防投資の拡大は挑発ではなく、戦争を回避するためのものであり、自主防衛能力の強化は国民を守るためのものだ」と主張した。
また、「立法院(国会)が国防特別予算案を完全に可決できなかったことは、台湾海峡の平和と安定を損なうことにつながる」とし、「政府は追加の特別条例や予算増額を通じて、武器購入や国際協力、防衛産業の自立化を引き続き推進する」と強調した。
頼総統はさらに、「経済を発展させ、回復力と競争力を一段と高めることで、国民の利益をより反映する国家を築く」と訴えた。
経済政策については、「台湾は製造拠点を超え、イノベーション拠点へと進化しなければならない」とし、「単なるサプライチェーンの一部にとどまらず、民主主義陣営における信頼できる中核パートナーになるべきだ」と強調した。
また、「昨年の台湾の経済成長率は8.68%を記録し、今年第4四半期の成長率も13.69%と、39年ぶりの高水準となった」と主張し、「これは世界市場へ進出し、単一市場への依存を脱却した結果だ」と説明した。
さらに、自身の就任以降、社会投資を積極的に拡大してきたとし、賃上げや減税、住宅支援、長期介護サービスの改善、保育費負担の軽減、教育投資などを継続的に進めてきたと述べた。
加えて、中小企業や伝統産業の転換支援に向けた1000億台湾ドル(約4,960億7,000万円)規模の投資計画や、少子化対策として0~18歳の子ども・青少年に毎月5000台湾ドル(約2万4,800円)の成長手当を支給する政策も推進すると明らかにした。
頼総統は、「台湾の力は人口規模ではなく、国民の自由意思にある」としたうえで、「台湾は善良な国家であり、世界から信頼されるパートナーであり、民主主義の灯台だ」と語った。
最後に、「皆で団結し、民主主義を守り、平和を追求し、繁栄を築いていこう」と呼びかけた。
一方、この日の演説内容について、中国政府は強く反発した。
中国外交部の郭嘉昆報道官は定例記者会見で、「『台湾独立』分裂勢力は台湾海峡の現状を破壊する最大の存在であり、台湾海峡の平和と安定を乱す最大の要因だ」と批判し、「台湾海峡の平和と安定を守るためには、『一つの中国』原則を堅持し、台湾独立分裂活動に断固反対しなければならない」と述べた。
郭報道官は、「頼清徳氏は『台湾独立』分裂路線を頑なに堅持し、偽りの民主主義を掲げながら実際には台湾独立を正当化している」としたうえで、「改めて『平和の破壊者』『危機の扇動者』『問題の引き起こし役』という醜い本性をさらけ出した」と非難した。
さらに、「台湾独立分裂勢力が何を語り、どのような行動を取ろうとも、台湾内部の世論を欺くことはできず、台湾問題はあくまで中国の内政問題であり、その根本的な性格は変えられない。中国がいずれ統一され、必ず統一されるという歴史の流れを止めることはできない」と強調した。
また、中国の対台湾窓口機関である国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官も定例記者会見で、「頼清徳氏のこの日の演説は、虚偽と欺瞞、敵意と対立に満ちている」と批判し、「意図的に『武力による独立』や『外部勢力に依存した独立』を図り、台湾海峡の平和と安定を損なっている」と反発した。
さらに、「どのような個人や勢力による、いかなる名目での台湾独立分裂の試みも決して許さない」としたうえで、「祖国は最終的に統一され、統一への流れは力強く前進していく」と主張した。















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