
ドナルド・トランプ米大統領が、イランとの新たな核交渉やホルムズ海峡の正常化に向けた協議を進める中、イスラエル国内で失望や反発が広がっていると報じられた。わずか3か月前までイラン空爆を歓迎していた雰囲気は急速にしぼみ、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する批判も強まっている。
25日(現地時間)、英紙ガーディアンによると、イスラエルのメディアや安全保障専門家の間では、トランプ政権が進める合意案について、イラン政権に時間的余裕を与え、核開発能力の維持につながる可能性があるとの懸念が広がっている。
イスラエルの著名コラムニスト、ナホム・バルネア氏は、日刊紙イェディオト・アハロノトへの寄稿で、「イスラエルは気まぐれで中身のない、切迫した米大統領の決定に振り回されている」と批判した。その上で、米国の「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦と、イスラエルの「ライオンズ・ロアー(獅子の雄たけび)」作戦に言及し、「怒りが激しいほど、雄たけびが大きいほど、敗北も大きくなる」と主張した。
また、現在協議されている合意案が成立した場合、「数十億ドル(数千億円)がイラン政権に流れ込むことになる」と警告した。
イスラエル国内では、ネタニヤフ氏が安全保障上の対応よりも政治的な思惑を優先しているとの批判も出ている。
安全保障専門家の間では、ネタニヤフ氏がイラン政権の交代や「戦時指導者」としてのイメージ強化、次期選挙での支持率上昇を狙うあまり、米国内の超党派による親イスラエル支持基盤まで損なう可能性があるとの懸念が広がっている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、イスラエルは現在進められている米国とイランの交渉から事実上排除されており、交渉の進展状況についても十分な情報共有を受けていないという。イスラエルは中東地域の同盟国や独自の情報網を通じて状況を把握しているとされる。
特に、トランプ政権が推進している交渉案について、2015年にオバマ政権下で締結されたイラン核合意(JCPOA)よりも制限内容が緩和される可能性があるとの見方が浮上しており、イスラエル国内の反発はさらに強まっている。ネタニヤフ氏は当時、米ワシントンを訪れてJCPOAを強く批判した経緯がある。
イスラエルのジャーナリスト、ベン・カスピット氏は、「今回の合意は以前の合意よりもはるかに悪い」とし、「戦争と停戦の結果、かえってイランの核開発計画を加速させる可能性がある」と主張した。同氏は、「仮にイランが核兵器を保有する事態になれば、それはネタニヤフ氏の責任によるものだ」と批判した。

イスラエルが懸念していたヒズボラなど、イランの地域代理勢力ネットワークや弾道ミサイル問題も交渉議題から外されていると伝えられており、不満はさらに強まっている。
ネタニヤフ連立政権内の極右勢力からも反発の声が上がっている。イタマル・ベングビール国家安全保障相はSNSで、「今こそ首相はトランプ氏の机を叩き、レバノンでの戦闘再開を求めるべきだ」と主張した。
ただ、イランとの戦争そのものに対するイスラエル国民の支持は、依然として高い水準にある。長期間にわたるミサイル攻撃を受ける中で、イランや親イラン勢力に対する脅威認識が強く根付いているためだ。
イスラエル民主主義研究所の調査によると、停戦直後にはユダヤ系イスラエル人の3分の1以上が停戦に不満を示し、満足していると答えた割合は4分の1程度にとどまった。
一方、時間の経過とともに、ネタニヤフ政権の戦争遂行能力に対する評価は悪化している。4月の調査でも、政府の対応を肯定的に評価した回答者は3分の1をわずかに上回る水準にとどまった。
保守系紙イスラエル・ハヨムのアリエル・カハナ記者は、トランプ氏について「少なくとも試みた点は評価できる」としつつ、「問題の核心は、イランが依然として健在であること自体を勝利として誇示していることだ」と指摘した。同氏は「トランプ氏は、まだそれを覆すだけの結果を示していない。これはイスラエル国民にとって良い知らせではない」との見方を示した。














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