
ロシアの弾道ミサイル「イスカンデル」がウクライナのドニプロにある国際連合世界食糧計画(WFP)倉庫の重要な食糧物資を破壊し、13万人分に相当する人道支援物資が灰燼に帰した。WFPは公式SNSを通じて「25日、ロシア軍の空爆により、最前線近くに住む住民13万人に届けられる予定だった食糧が消失した」とし、「ロシア軍が破壊した人道的食糧支援物資の価値は約140万ドル(約2億2,300万円)に達する」と伝えた。
WFPが公開した写真を見ると、国際連合(UN)の標識が明白な倉庫の屋根にミサイル攻撃による巨大な穴が開いていた。内部には破損したり壊れたりした缶詰などが散乱していた。WFPウクライナ事務所のリチャード・レーガン代表は「今回の攻撃はウクライナ全土で行われている支援活動に対する広範な攻撃パターンの一部だ」とし、「過去18か月間、ウクライナ全土で倉庫や輸送、支援物資の配布所などに影響を与える事件の発生件数は少なくとも84件に達する」と指摘した。さらに「国際人道法により民間人及び人道的な基盤施設に対する攻撃は厳格に禁止されている」と付け加えた。
ウクライナ現地メディアのユナイテッド24によると、最近数週間の間、ロシアがUNの支援施設を標的にする行動がますます深刻化しているという。今月初めにはUNの旗が鮮明に表示された国連人道問題調整事務所(OCHA)車両がウクライナ南部ヘルソン地域で2回もドローン(無人機)攻撃を受けた。当時、車両にはOCHA事務所長と職員8人が乗っていた。この件に関してウクライナ側は「ロシア軍が人道的な支援車両であることを見分けられなかったはずがない」と強く非難した。
ロシアが今回の攻撃に使用したイスカンデルMは短距離弾道ミサイルで、戦場で高価値目標に対する精密打撃に主に使用される。このミサイルの弾道飛行軌道などはウクライナの一部地域に配備された最先端の西側防空システムを除くほとんどのシステムでは迎撃が困難とされている。最近、不利な戦況が続くロシアは多くのミサイルを惜しみなく使用している。
23日の夜から24日の未明にかけてロシアはウクライナの首都キーウを含む主要都市に弾道ミサイル36発を含むミサイル90発とドローン600機を発射した。当時の空爆で大きな非難を受けた武器はロシアの極超音速ミサイルである「オレシュニク」だ。オレシュニクはロシア語で「ハシバミの木」を意味する。ハシバミの木は枝先に複数の果実がなるのが特徴で、このミサイルも弾頭が分離されて複数の目標に飛んでいく「複数個別誘導再突入体(MIRV)」として評価されている。
イスカンデルMに加え、巡航ミサイル「Kh-101」や巡航ミサイル「クラブ」、極超音速巡航ミサイル「3M22・ツィルコン」などが総動員された。速度と機動性を生かして防空システムに挑戦するよう特別に設計された空対地ミサイル「Kh-47M2・キンジャール」も配備されたとされる。
ロシアはミサイルの他にも様々な種類のドローン600機を発進させた。この攻撃には徘徊型の「シャヘド136」とウクライナ防空網を攪乱するための欺瞞ドローン、攻撃用ドローンなどが総動員された。これは迎撃ミサイルなどの戦力を枯渇させ、防御網に空白を作るための飽和戦術と分析される。オレシュニク・ミサイルを動員したロシアの大規模攻撃を巡り、一部ではウクライナに物理的被害を与えることよりも、政治的メッセージを発する狙いがあるとの分析が出ている。

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)はこの日「核弾頭搭載が可能なオレシュニク・ミサイルは事実上、軍事目的よりも政治的な道具として使用されている」と伝えた。単に莫大な被害を引き起こそうとする目的よりも、ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)加盟国に核弾頭搭載が可能な極超音速ミサイル保有の事実を誇示しようとする側面が大きいと見られている。
一方、ロシアは今年、兵力優位を前面に出してウクライナ東部戦線の突破と占領地の拡大を狙ったが、まだ明確な成果を上げられていない。これに対してウクライナはドローン戦力を活用して、ロシアの本土と軍需施設まで攻撃範囲を広げ、戦争の様相を変えているとの評価が出ている。













コメント0