トランプ大統領、オマーンに軍事的圧力示唆…ホルムズ海峡めぐりアブラハム合意参加も要求

ホルムズ海峡の封鎖長期化で国際エネルギー価格の不安が続く中、ドナルド・トランプ米大統領がオマーンに対して軍事的威嚇とも受け取れる発言を行った。トランプ大統領はイランとオマーンによる海峡の共同管理案を牽制するとともに、中東諸国に対しアブラハム合意への参加を改めて迫った。
英紙インディペンデントによると、トランプ大統領は27日のホワイトハウスでの閣議でホルムズ海峡の管理問題に関連し、オマーンを直接名指して強硬な発言をしたという。
記者団から、ホルムズ海峡と接するイランとオマーンが海峡の共同管理に向けた暫定合意に達する可能性について問われた際、トランプ大統領は「オマーンは他のすべての国と同じように行動するだろう。そうでなければ、我々は彼らを吹き飛ばさなければならない」と述べた。
さらに「誰にもホルムズ海峡を支配させることはない」と付け加えた。
この発言は即興的なものとみられるが、米国務省は直後に「X(旧ツイッター)」の公式アカウントで発言の映像を共有し、これを追認した。
トランプ大統領はオマーンだけでなく他の中東諸国に対してもアブラハム合意への参加を再度求めた。アブラハム合意は、トランプ政権1期目に推進された米国主導の外交枠組みで、アラブ諸国とイスラエルの国交正常化を目的としている。
トランプ大統領はイランの核問題への対応やホルムズ海峡再開への道筋をつけたことで、中東諸国は米国に「借りがある」と主張した。そして「もし署名しないのであれば、我々が和解すべきか確信できない」と語った。
この発言はイランとの和平合意の進展を中東諸国のアブラハム合意参加と結びつけたものと受け止められている。
このため、ホルムズ海峡再開をめぐる協議は単なる海上交通の問題にとどまらず、イスラエルとアラブ諸国の関係正常化やイラン核協議を絡めた複雑な外交交渉に発展している。
ホルムズ海峡は世界の原油や液化天然ガス(LNG)輸送の要衝だ。海峡封鎖が約90日に及んだことで主要エネルギー輸送路が混乱し、国際原油価格や天然ガス価格も急騰した。

専門家は、近く海峡が再開されたとしても輸送遅延や保険料の上昇、供給網の混乱の影響が数か月続く可能性があるとみている。
米国はこれまで軍事・外交の両面からホルムズ海峡再開を試みてきたが、目立った成果は上がっていない。トランプ大統領は5月上旬、民間船舶を米海軍艦艇が護衛する計画を打ち出したものの、この構想はわずか2日で中断された。
イランとの和平交渉も正式合意には至っていない。不安定な停戦が続く中、米軍による断続的な空爆も続いており、交渉機運は弱まっている。
米国内の政治情勢も流動化している。下院は上院を通過した戦争権限決議を採決しないまま休会に入り、上下両院を共和党が握るなかでも対イラン政策をめぐる党内の亀裂が広がっている。
一方、トランプ大統領を支持する親イスラエル・新保守主義勢力は、イランの核開発能力を完全に排除しない限り、いかなる和平合意にも意味はないと主張している。
米政府はイランに対し、高濃縮核物質の放棄と核開発計画の再建停止を求めているとされるが、強硬派はさらに厳格な査察や監視体制を要求している。
また、トランプ政権が交渉妥結に向け、一部制裁緩和や米国内で凍結されているイラン資産の解除を検討しているとの報道もあり、反発が強まっている。
ホルムズ海峡再開をめぐる交渉はイラン核問題、アブラハム合意、そして米国内政治まで絡む複雑な局面を迎えており、中東情勢の緊張は再び高まりつつある。
















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