「英国が中国に再接近?」…スパイ疑惑の裏で進む“大国外交”の思惑
英外相が中国訪問へ、首相訪中後の関係改善ムードを後押しか

中国外交部は31日、英国のイヴェット・クーパー外相が1日から3日まで中国を訪問し、第11回英中戦略対話を開催すると発表した。
中国国営紙の環球時報は31日、クーパー外相が訪中期間中に中国の王毅外交部長と会談し、ホルムズ海峡封鎖を含むイラン情勢やロシア・ウクライナ戦争、最近のエボラ出血熱の発生など、さまざまな国際問題について協議する見通しだと報じた。
中国の専門家は、クーパー外相の訪中について、英国首相としては8年ぶりにキア・スターマー首相が今年1月に中国を訪れ、中国の習近平国家主席と首脳会談を行ったことに続き、両国関係改善の流れを維持する契機になるとの見方を示した。
スターマー首相は1月の習主席との会談で、ロンドンの中国大使館建設計画や、中国によるスパイ活動をめぐる英国側の警戒、香港のメディア実業家で終身刑を受け服役中のジミー・ライ氏の問題などにより、両国関係はここ数年「氷河期」とも言えるほど冷え込んでいたと述べた。
しかし、この首脳会談を機に両国関係は新たな転機を迎えたとの評価が出ている。労働党所属のスターマー首相の訪中は、2018年に中国を訪問した保守党のテリーザ・メイ元首相以来、英国首相として初めてだった。
その一例が、中国による英国の一般旅券(パスポート)保有者への査証免除措置だ。中国はビジネスや観光、親族・知人訪問、トランジットなどを目的とする場合、最長30日間の滞在を認めており、この措置は今年末まで適用される。
これに先立ち英国政府も、スターマー首相の1月28日から31日にかけての訪中を前に、長年議論が続いていたロンドンの中国大使館新築計画を承認した。
ロイター通信は、クーパー外相は3日に中国南部のハイテク拠点である広東省深圳市を訪れ、先端技術産業を視察する予定だと報じた。
深圳では11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催される。クーパー外相は中国訪問後、インドへ向かう予定となっている。
中国社会科学院欧州研究所の馮仲平所長は環球時報のインタビューで、「今回の訪問は、英国が中国のような大国との対話チャンネルを維持したいという意思を示すものだ」と分析した。
馮所長は「今回の訪問は、スターマー政権が進める現実的な対中姿勢と一致するものだ。日程に深圳が含まれていることから、今後の科学技術協力をめぐる協議が行われる可能性もうかがえる」と述べた。
一方、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は31日、両国関係には依然として懸案が残っていると報じた。
英国政府が今月、中国企業傘下の「ブリティッシュ・スチール」の国有化計画を発表したことに対し、中国側が「行動を起こす前によく考え、慎重な判断を下すべきだ」と反発しているためだ。
中国は英国政府に対し、ようやく築き上げた中英間の良好な経済・貿易関係の流れを維持するよう求めている。
王部長は2月のミュンヘン安全保障会議でクーパー外相と会談した際、「英国が中国企業に対し、公平かつ公正で、差別のない事業環境を提供することを期待している」と述べていた。















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