連邦裁判所が相次ぎ執行停止命令
調査開始受け政権が計画断念

ドナルド・トランプ米大統領が18億ドル(約2,880億円)規模の「司法被害者基金」創設計画を撤回する方針を固めたと米メディアのアクシオスが1日(現地時間)に報じた。
アクシオスはトランプ政権高官らの話として「基金構想は現時点で白紙となっている」と報道し「この問題は政権運営上の重荷となっており、今はこの問題を扱う適切な時期でも手段でもない」との見方を伝えた。
政府権力の乱用による被害者を支援するとの名目で打ち出された基金だったが、結果的にトランプ政権にとって政治的な負担となった格好だ。
今回の方針転換は連邦裁判所が相次いで計画に制約を加えた直後に明らかになった。5月29日には、バージニア州の連邦地裁でレオニー・ブリンケマ判事が基金の執行を一時中断させ、同日フロリダ州の連邦地裁ではキャスリーン・ウィリアムズ判事が合意の経緯に疑問があるとして調査に着手した。
この基金はトランプ大統領が自身の納税記録漏洩を巡り、米国歳入庁(IRS)に対して起こしていた100億ドル(約1兆6,000億円)規模の訴訟を取り下げる見返りとして創設される予定だった。
訴訟取り下げに関する合意には基金創設のほか、IRSがトランプ大統領やその家族、関連企業の過去の税務問題について今後調査できないようにする永久免除条項も盛り込まれており、波紋を呼んでいた。
基金創設計画の公表後は民主党だけでなく共和党内からも批判の声が上がった。特に、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の参加者に公費が支給される可能性があるとして共和党指導部が不満を示したほか、マイク・ペンス前副大統領も「極めて不快な発想だ」と批判した。
また、基金創設を巡ってはホワイトハウス内でも認識の食い違いがあったとみられる。
ある関係者はアクシオスに対し「トランプ大統領の弁護団と司法省との協議にはホワイトハウス高官も参加していた」と明かしたが、別の政権高官は「全く事実ではない。ホワイトハウスのウェストウイング(西棟)は完全に寝耳に水だった」と反論した。















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