
フランス議会は、2030年までに総額4,360億ユーロ(約80兆4,500億円)を国防に投入する軍事計画法の改正案を最終承認した。
AFP通信によると、フランス下院は上院に続き、現地時間7月1日、2024~2030年に総額4,360億ユーロの国防予算を投じる改正案を可決している。
フランスの軍事計画法は、7年単位で国防方針と予算を定める枠組みである。2023年8月に可決された当初の軍事計画法では、総額4,000億ユーロ(約73兆8,100億円)を投入する計画だった。
ウクライナ戦争の長期化や中東紛争、北大西洋条約機構(NATO)による防衛費増額の要請に加え、欧州で再軍備を進める動きが広がる中、既存計画を強化すべきだとの声が高まっている。
追加される360億ユーロ(約6兆6,400億円)は、ウクライナと中東での戦争から得た教訓を踏まえ、戦闘遂行能力の強化に充てる方針だ。
ミサイルと砲弾の備蓄を拡大し、ドローン戦力を強化するとともに、サイバー・宇宙・情報戦への対応能力も拡充する計画である。
7か年の軍事計画法は、毎年の議会による予算審議で承認を得る必要があるため、今後見直される可能性がある。来年選出される次期大統領が、フランスの防衛戦略を大幅に修正することもあり得る。
フランスのカトリーヌ・ヴォートラン軍事・退役軍人相は、仏紙「ル・フィガロ」とのインタビューで、「世界的に再軍備の動きが活発化している」と述べた。その上で、「軍の即応態勢を整え、装備と部隊を近代化・強化するために360億ユーロを投じることは、大きな前進だ」と評価した。
ヴォートラン軍事・退役軍人相は、国防予算を長期的に年間1,000億ユーロ(約18兆4,500億円)規模まで引き上げる必要があると指摘した。「これは戦略的脅威の変化に対応するための課題だ」と語り、今後10年以内に国防予算を倍増させ、事実上すべての装備を更新するとの見通しを示した。
昨年の公共財政赤字が国内総生産(GDP)比5.1%に達したフランスでは、国防費を増額するには他分野の予算を削減しなければならない。フランス政府には、こうした方針について国民の理解を得ることが求められる。
ヴォートラン軍事・退役軍人相は「国民とこの議論をしなければならない」と語り、「平和には代価が伴い、ただで得られるものではない。敬意を得るには恐れを抱かせなければならず、恐れを抱かせるには投資し、主権を確固たるものにしなければならない」と訴えた。
また、次期大統領選でも国防問題を主要争点とすべきだと強調した。
ヴォートラン軍事・退役軍人相は「候補者が、フランスの安全と平和のためにどの程度の資源を投じる用意があるのか、議論してほしい」と述べ、各候補に政策方針を明確にするよう求めている。
次期フランス大統領選の第1回投票は2027年4月18日に実施され、過半数の得票者が出なければ、得票上位2人が同年5月2日の決選投票で争う。
欧州各国でも再軍備の動きが加速している。
英国も軍事装備と防衛技術に150億ポンド(約3兆2,300億円)を追加投入し、2029年までに年間の国防費を800億ポンド(約17兆2,300億円)へ引き上げることを決めた。
英国のキア・スターマー首相は現地時間6月30日、核抑止力の強化、ドローン分野の革新、武器備蓄の拡充を柱とする、今後4年間で2,980億ポンド(約64兆1,700億円)規模の国防投資計画(DIP)を発表した。














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