米軍、サウジ撤退か…イラン戦争後に崩れ始めた“中東の同盟関係”

米国とサウジアラビアの同盟関係がイラン戦争をきっかけに揺らいでいるとの見方が出ている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1日(現地時間)、米政府がサウジアラビアに駐留する米軍の削減を検討していると報じた。イランとの戦争を巡り、両国関係が悪化したことを受けた措置だとしている。
米国はサウジ駐留部隊を縮小する一方で、戦争期間中に協力姿勢を示したイスラエルやヨルダンへの軍事力配備を強化する案を協議しているという。ただし、この計画はまだ初期段階で最終決定には至っていない。
両国の対立は今年2月末、米国がイスラエルとともにイランへの軍事作戦を開始したことで本格化した。
サウジアラビアは米国とイスラエルがイランに対する軍事作戦に踏み切れば、ホルムズ海峡の封鎖や国際原油価格の混乱、湾岸地域のエネルギー施設への攻撃につながる可能性があると懸念していた。
サウジアラビアをはじめとする湾岸諸国は、開戦直前まで米国に外交的解決を模索するよう働きかけていたが米国はイランへの攻撃を強行した。このためサウジ国内では、米国との関係強化に努めてきたにもかかわらず、中東政策に影響力を及ぼせなかったとの懐疑的な見方が強まっているとWSJは伝えた。
両国の対立は米国がホルムズ海峡の航行再開を目的として進めたプロジェクト・フリーダムを巡っても表面化した。WSJによると、サウジアラビアはイランによる報復攻撃や地域全体への戦火拡大を懸念し、米軍による基地や領空の使用に難色を示したという。これが両国の安全保障協力に大きな亀裂を生んだとされる。

両国の外交面での対立は最近の公式日程にも表れている。マルコ・ルビオ米国務長官は先週の湾岸歴訪でアラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーンを訪問した一方、サウジアラビアは訪問先に含めなかった。サウジ側はこれを外交上の冷遇と受け止めたと伝えられている。
また、WSJによると、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子も米国の戦争遂行への抗議の意思を示すため、先月フランスで開催された主要7カ国(G7)首脳会議への招待を辞退したという。一方、サウジメディアは当時、皇太子は既に予定が入っていたことを理由に欠席したと報じていた。
戦争の影響は湾岸協力会議(GCC)内部にも波及している。アラブ首長国連邦(UAE)はイランによる直接攻撃を受けた後、米国とイスラエルに接近する動きを見せる一方、サウジアラビアとは対応方針を巡って温度差が生じた。また、UAEが今年5月に石油輸出国機構(OPEC)を脱退したことも、産油国間の結束の弱まりを示す事例として挙げられている。
これに対し、ホワイトハウスは両国関係の悪化を否定した。ホワイトハウスのアナ・ケリー報道官は「両国関係は強固だ」とした上で「トランプ大統領はパートナー国の意見を傾聴するが、最終的には米国民の利益を最優先に判断を下す」と述べた。
しかし、サウジ国内で対米関係への懐疑論が強まっていることから、両国関係は当面、冷え込んだ状態が続く可能性が高いと複数のメディアは分析している。














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