「不況は遠のいた、だが物価高は終わらない」米専門家72人が警戒する“次のリスク”
ウォール・ストリート・ジャーナル、専門家72人を調査
「原油高の影響、予想より限定的」

米国の経済専門家の間で、景気後退への懸念が薄れる一方、インフレリスクは高まっているとの認識が広がっていることが分かった。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12日に公表した調査結果によると、専門家は今後12か月以内に米国が景気後退に陥る確率を25%程度と予測した。4月時点の33%から低下し、昨年初め以降で最も低い水準である。今年の米経済成長率の予測値も平均2.1%となり、4月時点の2.0%をわずかに上回った。イランとの戦争に伴う原油価格の上昇や、米国のドナルド・トランプ政権による世界各国への関税措置など、複数の悪材料があるにもかかわらず、米経済は底堅さを維持するとの見方を示した形だ。
WSJは「原油価格の上昇は、多くのアナリストが予想していたほど深刻な影響を及ぼさなかったことが明らかになった」と指摘した。そのうえで、「経済活動の石油への依存度は以前より低下しており、株式市場の上昇相場も個人消費を安定的に維持する支えとなった」と説明している。
一方、物価を巡る懸念は高まっている。専門家は今年末の米消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比3.4%と予測し、4月調査の3.2%から上方修正した。価格変動の大きい食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率も3.2%と見込まれ、4月時点の2.9%を上回る。
コアPCE物価指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する際に重視する指標だ。専門家の多くは、FRBが現在の年3.50~3.75%の政策金利を維持すると予想した一方、利上げを見込む回答は15%にとどまった。
中東で衝突が再燃し、米国とイランの終戦に関する了解覚書(MOU)が事実上無効となるなかでも、国際原油価格は安定に向かうとの見通しが示された。専門家は今年末の国際原油価格について、1バレル当たり約70ドル(約11,360円)になると予想する。2月28日に戦争が始まった後、原油価格は一時1バレル当たり110ドル(約17,850円)まで高騰した経緯がある。
今回の調査は2~7日、米国のエコノミスト72人を対象に実施された。















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