「北朝鮮の核実験を見抜いた学者が消えた」中国で“20カ月拘束”、トランプが習主席に釈放要求
トランプ大統領は習主席に釈放を要請

北朝鮮の核実験の探知を研究していた50代の中国系米国人が中国で20カ月以上にわたり拘束されていることが判明した。米中関係に新たな火種となる可能性もあり、ドナルド・トランプ米大統領は今年5月に中国を訪問した際、中国の習近平国家主席に釈放を求めたと伝えられている。
13日(現地時間)、英メディアは「中国生まれの米国人地震学者、ユーリン・チェン氏が20カ月以上にわたり中国で拘束されている」と報じた。チェン氏は中国で家族と面会した後、米マサチューセッツ州ボストンの自宅へ戻ろうとしていた2024年11月5日に北京の国際空港で拘束されたという。
これを受け、マルコ・ルビオ米国務長官は今年3月19日にチェン氏を「不当拘束者」に指定した。中国で拘束されている10人余りの米国人のうち「不当拘束者」に指定されたのはチェン氏だけとされる。
チェン氏は昨年5月にスパイ容疑で起訴されたが、現在まで裁判は開かれていない。チェン氏の家族は終身刑や死刑を言い渡される可能性もあると懸念している。

チェン氏の拘束を巡り米国では「中国が地下核実験を隠蔽するため、北朝鮮の核実験探知に関するチェン氏の専門知識を利用しようとしているのではないか」との見方も出ている。
チェン氏は地震学者として北朝鮮の核実験探知を研究してきた。2020年12月には、自然地震による地震波と北朝鮮の核実験によって発生する地震波を識別する手法を分析した論文を発表した。この論文は米国務省軍備管理局の支援を受けて作成され、表紙には一般公開が承認された論文であることが明記されていた。
トランプ政権は今年2月、中国が2020年6月に地下核実験を実施し、衝撃波を弱める手法を用いたと非難した。一方、中国側は核実験の実施を否定している。
チェン氏の釈放問題は「戦略的安定」を重視する米中関係において新たな対立要因となる可能性がある。また、北朝鮮の核実験探知を研究していた学者であることから釈放問題が間接的に北朝鮮を刺激する可能性も指摘されている。
トランプ大統領は今年5月に中国を訪問した際、習主席にチェン氏の釈放を求めたとされ、習主席は検討すると応じたという。習主席は9月に米国を訪問する予定で、それまでに進展がなければ、トランプ大統領が再び釈放問題を議題として取り上げる可能性が高いとみられている。
チェン氏の家族は「トランプ政権は高官レベルの交渉による釈放を期待し、これまでチェンの拘束の事実を公表してこなかった」と明らかにした。
また、拘束当初のチェン氏は立ち上がることや運動を許されず、一日中硬い椅子に座らされていたとされる。チェン氏の家族は「糖尿病の治療薬をはじめ必要な薬も入手できず体重が18キロ減少した」と訴えている。
さらに家族によると、チェン氏はこれまで100回以上の取り調べを受けており、米国領事との面会時にも中国当局者が同席するため、自由に会話できない状況が続いているという。















コメント0