
アメリカとイランがホルムズ海峡で武力衝突を繰り広げ、中東の緊張が再び極度に高まっていた7月初め、米ニューヨーク市長であるゾーラン・マムダニ氏が率いる同市の高官が、イランの国連大使と会談する予定だったことが明らかになり、物議を醸している。国務省が事前に会合の情報を把握して介入したため、会談は実現しなかった。ただ、急進左派の市高官らが国家的な危機の中で国益を無視して独自に行動しようとしたとして、批判を浴びている。
11日、 ニューヨーク・タイムズ(NYT)などは、ニューヨーク市国際業務局長であるアナ・マリア・アーチラ氏が、7月7日午前11時に米マンハッタンで、イランの国連大使であるアミール・サイード・イラバニ氏と会う予定だったと報じた。ニューヨーク市国際業務局は市政府の外交政策とは関係のない部門であり、他都市との先進事例の共有や海外企業のニューヨーク誘致に重点を置いている。そのうえで、政治的イデオロギーや政党に関係なくニューヨーク市に駐在する全ての外交関係者と市政府の良好な関係構築を支援している。また、予定されていた会合の議題は明確には確認されていない。
会合が予定されていた時期、米国とイランは戦闘終結に向けた覚書(MOU)を交わしていたものの、実際には攻撃を続けていた。 特に6~7日には、カタール国籍のLNG運搬船などがイランの攻撃を受け、アメリカがこれに対抗してイランを攻撃するなど、事実上、戦争再開ともいえる緊張が両国に広がっていた。
こうした状況のなか、両者の会合は米国務省の介入により実現しなかった。国務省はニューヨーク市に対し、「(市政府に)許容される行動基準を超えている」と説明したとされる。一方、マムダニ氏は会合について報告を受けていなかったと釈明しており、この件を後から知って、アーチラ氏を叱責したという。
今回の事件は、1月に自ら民主社会主義者と称するマムダニ氏がニューヨーク市長に就任後、急速に左派色がニューヨーク市に浸透する中で発生した。アーチラ氏は外交経験が全くなく、進歩的な「働く家族党」の共同代表を務めていた人物である。また、同氏は移民や弱者を支援する進歩的団体も共同設立しており、こうした経歴から、今回の起用は事実上、市長と近い人物を優先した人事だとの指摘がある。保守系シンクタンク・マンハッタン研究所の刊行物であるシティジャーナルによると、国際業務局には「外交活動の優先順位を決める際、『政治的に同じ立場(左派)かどうか』を基準の一つにするよう」というメッセージが伝えられたという。

米国務省は「ニューヨーク市の公務員がイラン大使との会合を検討したことは良心的に容認できない」と述べた。また、マムダニ氏は自分がこの会合について全く知らなかったと釈明した。同氏は、「局側から最初に提案されたのではなく、市長室国際業務局に入ってきた要請だった」としたうえで、「誤って予定が組まれてしまった」と述べた。しかし、NYTは「一般的にマムダニ行政府で行われる高官の会合は、複数の部門間で透明な共有を経て慎重に調整される」と報じている。















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