米兵が傷ついても「なかったこと」に...国防総省が被害を沈黙、トランプ氏に突きつけられた“隠蔽疑惑”

ドナルド・トランプ米大統領と米国防総省が、イランとの戦闘による米軍の死傷者数を過少に公表しているとの疑惑が浮上した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は20日(現地時間)、「イランが先週、ヨルダン国内の米軍基地を3度にわたって攻撃し、米兵数十人が負傷したほか、複数のヘリコプターが損傷したにもかかわらず、国防総省はこれらの事実を公表しなかった」と報じた。
先週、米中央軍はイランへの空爆を複数回実施し、そのたびに声明を発表した。中央軍は「ホルムズ海峡を通過する商船への攻撃に対する報復措置」と説明した一方、イランによるヨルダンの基地攻撃については具体的な言及を避けた。
当時、国防総省は「イランによる弾道ミサイルや無人機(ドローン)攻撃を迎撃する過程で、米兵2人が死亡し、1人が行方不明になった」と発表した。トランプ大統領は「米軍の犠牲」に言及し、報復措置を取る考えを示した。
NYTの報道をめぐり、米軍関係者は「中央軍には負傷兵に関する情報を公表する義務はない」とし、「特に負傷者が早期に任務へ復帰した場合はなおさらだ」と述べた。
別の米軍関係者もNYTに対し、「死傷者に関する情報を公開しないのは、イランがヨルダンやその他の中東地域にある米軍基地をより正確に攻撃するために利用する可能性があるため、当然の措置だ」と主張した。
「国民には戦況を知る権利がある」
米中央軍はイランへの攻撃を実施するたびに、「最高司令官の命令」に基づく作戦であることを強調してきた。これは、トランプ大統領が直接イランへの空爆を指示したことを意味するとともに、空爆による米軍の被害状況を公表する権限も大統領にあることを示している。
米CNNは「国民には戦闘に関する情報を知る権利があるが、国防総省は過去2か月半にわたり、一度も記者説明会を開いていない」と指摘した。その上で、「国防総省は再びイランとの交戦を開始したにもかかわらず、軍事戦略について説明せず、米兵がどのような経緯で死亡したのかについても詳細を明らかにしていない」と伝えた。

実際、米兵少なくとも2人が死亡し、1人が行方不明となった詳しい状況は、国防総省の発表ではなく、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によって明らかになった。
WSJは17日、匿名の関係者の話として「イランの弾道ミサイルが兵士らの宿舎として使われていたコンテナ型施設を直撃し、その際に米兵が死亡した」と報じた。
当時、匿名を条件に取材に応じた米軍関係者は米紙ワシントン・ポスト(WP)に対し、「厚い壁で強化された施設であっても、弾道ミサイルの直撃を防ぐことはできない」と語った。
米CNNは「軍人やその家族、国民の知る権利を尊重し、定期的に戦況説明を行ってきた歴代政権の対応から逸脱している」と指摘した。
米国防総省、議会にも戦闘情報を十分に開示せず
現在、米国防総省はイランのミサイル能力の再建状況や米軍の迎撃ミサイルの備蓄状況など、戦闘に関する重要情報を米議会に対しても十分に開示していない。
これに関連し、米国防総省のショーン・パーネル報道官は「負傷者や死者の状況などについては、オンライン上で直接更新し、隠し立てのない情報を提供している」と反論した。また、「フェイクニュースを流す記者の質問は、国民に何の情報ももたらさない」と述べた。
しかし、米国防総省による不透明な情報公開が、かえって混乱を招いているとの指摘も相次いでいる。
匿名の米政権関係者はWPに対し、「米国はより大規模な軍事作戦を計画しているが、安全に実行するために必要な十分な戦力を確保できていない」とし、「ホワイトハウスはその現実を認識していないようだ」と述べた。

実際、2月28日に米国とイスラエルが対イラン軍事作戦を開始した際も、トランプ大統領が「現実を正しく認識していない」との批判を受けながら作戦に踏み切ったとの指摘が出ていた。
5月以降、現地メディアは米情報機関の内部機密報告書を引用し、「トランプ政権の説明とは異なり、イランがミサイル能力を急速に再建している」と報じた。当時、トランプ大統領や米国防総省はこれを「フェイクニュース」と一蹴したものの、具体的な説明は示さなかった。
それに先立つ4月5日、米誌アトランティックは「米情報機関は、イランが核兵器を使用する準備を進めておらず、米本土を攻撃できるミサイルも保有していないと分析していた。また、攻撃を受けた場合にはホルムズ海峡を封鎖し、世界経済に危機をもたらす可能性があると警告していた」と報じた。その上で、「これらすべての情報は戦闘開始前にトランプ大統領に共有されていた」と伝えた。
当時、トランプ大統領はイランが核兵器によってイスラエルを壊滅させようとしていると主張していた。イランが濃縮ウランを保有していることは事実だが、昨年6月の米軍による攻撃以降、濃縮能力を再建しようとする動きは確認されていなかった。















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