
高性能コンピューターチップの生産で9割以上を占める台湾が、中国による封鎖や占領によって供給を止めざるを得なくなった場合、米国の経済生産量は11%、中国は16%落ち込む可能性がある。こうした研究結果が新たに明らかになった。
ニューヨーク・タイムズは24日(現地時間)、2022年に米国半導体工業会(SIA)がコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーへ委託して作成させた非公開報告書を引用し、上記の試算を報じた。
報告書は、米国経済が大恐慌以降で最大級の危機に陥り得ると警告している。台湾からのチップ供給が途絶えた場合、米国の主要テクノロジー企業が保有するチップ在庫は数か月分に過ぎないという指摘も盛り込まれた。
マッキンゼーは、台湾からチップを入手できなくなったら何が起きるのか、という問いを起点に分析を進めたという。
報告書によると、台湾はiPhone向け半導体と自動車向けメモリーチップの半分以上を生産しているほか、人工知能(AI)向け半導体の組み立ても主導している。こうした台湾半導体の供給網が、世界総生産10兆ドル(約1,557兆円)に相当する経済活動を可能にしていると評価した。
また、台湾の工場が停止すれば影響は直ちに広がり、世界経済は破綻的な打撃を受けるとの見通しも示した。
具体的には、中国の国内総生産(GDP)が2兆8,000億ドル(約436兆円)減少し、米国も2兆5,000億ドル(約389兆円)押し下げられるという試算だ。
ブルームバーグ・エコノミクスなど複数の研究機関も、中国と台湾の衝突が世界経済にもたらす損失を10兆ドル(約1,557兆円)以上と推計している。
ニューヨーク・タイムズは、台湾半導体を基盤にしたAIが米国株式市場を押し上げ、経済成長を促しているとして、台湾が米国経済にとって不可欠な存在であることは以前にも増して明確になったと強調した。
一方で、米国のジョー・バイデン前大統領の政権に加え、米国のドナルド・トランプ大統領の政権も、米国のテクノロジー企業に台湾半導体への依存低下を促してきたものの、短期利益を優先する企業側はほとんど応じていないとも伝えている。
ただし同紙は、トランプ政権の圧力を受け、エヌビディアが台湾積体電路製造(TSMC)が米国アリゾナ州で建設中の新工場からチップを購入する方針を約束した点を、問題解決に向けた第一歩と位置づけた。そのうえで、米国内の半導体製造が活発化する兆しが出ていると報じている。
それでも国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の見通しとして、2030年までに米国内の半導体生産投資は2,000億ドル(約31兆円)に達する一方、生産シェアは世界全体の10%にとどまる可能性があるとしている。













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