
トランプ米大統領が9日(現地時間)、イラン戦争が早期に終結するとの見通しを明らかにしたことで、翌10日の金融市場は急速に安定を取り戻した。しかし、今後の展望は依然として不透明な情勢だ。戦況に応じて流れが急変する可能性は残っており、イラン側もトランプ氏の発言を受け、即座に抗戦の意志を固めている。
「フィナンシャル・タイムズ(FT)」は10日、イラン戦争の今後の展開について、専門家による5つのシナリオを紹介した。
1. 早期終結
原油高によるインフレ圧力に直面するトランプ氏が、戦果に関わらず「勝利」を主張して戦争を終結させるシナリオだ。11月の中間選挙で民主党が議会を掌握すれば弾劾のリスクも浮上する中、一方的に目標達成を宣言して軍事作戦を終了させる可能性がある。ハドソン研究所のマイケル・ドーラン氏は、イランが米国の同盟国攻撃やホルムズ海峡での緊張創出を通じてトランプ氏に圧力をかけ、この早期終結宣言を引き出そうとしていると分析している。
2. ベネズエラモデル
2023年のベネズエラでの事例のように、イランの核心指導部を排除し、親米派や協力的な人物に交代させるシナリオだ。しかし、国際危機グループのアリ・バエズ氏は、イランがすでにハメネイ師の息子モジタバ師を後継に据え、抗戦体制を固めているため、このシナリオの実現は困難だと指摘する。また、イラン国内で米国に協力的な有力者を見出すことも極めて難しいと予測されている。
3. 行き詰まり(膠着状態)
米国の圧倒的な軍事力にもかかわらず、イラン体制が維持され、持続的な反撃が行われるシナリオだ。ベトナムやアフガニスタンでの経験と同様に、持続的な抵抗の中で戦争が泥沼化し、一方が屈服するまで消耗戦が続く可能性がある。
4. イラク式残存(弱体化した政権の継続)
サダム・フセイン政権末期のイラクのように、極度に弱体化しながらも政権が存続する可能性だ。ヒズボラやフーシ派への影響力は失うが、内部統制は維持し、国際的に孤立した状態で生き残る。英国国際戦略研究所(IISS)のエミール・ホカエム氏は、イランは体制を維持しつつ、ホルムズ海峡での挑発などを通じて西側に経済的コストを強いる能力を保持し続けると予測している。
5. 内戦と分裂
最悪のシナリオは、中央政府が統制力を失い、イランの領土が分裂することだ。多民族国家であるイランが、外部支援を受ける少数民族武装勢力によって四分五裂する懸念がある。アフガニスタンやイラクで起きたような混乱が再現されれば、革命防衛隊という強力な中心点が崩壊した後の権力の空白を過激派組織が埋め、長期的な内戦に突入するリスクが高いと分析されている。
















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