
イラン軍は、自国のミサイルにより撃墜された米軍F15E戦闘機の搭乗員救助作戦において、大破した米軍機およびヘリコプターの残骸とする写真を公開した。5日(日本時間)、イランのタスニム通信をはじめとする現地メディアは、中部イスファハン州南部で破壊された米軍機資産の生々しい残骸を一斉に報じた。
公開された写真には、MC130J輸送機2機および複数機のMH6特殊戦用ヘリ(リトルバード)とみられる残骸が地面に散乱しており、原形を判別できないほど激しく焼失している。これに対し、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)広報室は、「ギャンブラー・トランプよ、タバス砂漠の神は依然として健在だ」と述べ、米国の失策を揶揄した。また、「トランプ氏が自らの惨敗を隠蔽するために、救出作戦の成功を捏造している」と主張を強めている。
ここで引用された「タバス砂漠の神」とは、1980年(昭和55年)の「イーグル・クロー作戦」の失敗時に発生した砂嵐を、イラン側が神の加護として呼称する象徴的な表現である。当時、米大使館人質救出を試みた米軍は、砂漠地帯で予期せぬ砂嵐に遭遇し、航空機同士の激突事故などにより壊滅的な被害を被った。イランは今日においても、米国の軍事行動が失敗に終わるたびに、この歴史的事例を引き合いに出して嘲笑する傾向がある。
米軍資産の破壊を巡り、両国の見解は真っ向から対立している。イラン側が「自軍が撃墜した戦果」と主張するのに対し、米国側は「機密保持のための自発的な爆破処理」であるとの立場を堅持している。米軍は、不整地への着陸後に離陸不能となったMC130J輸送機2機について、先端技術の流出を阻止するために意図的に爆破したと言及していた。
また、公開写真に含まれるMH6ヘリの残骸についても、損害規模は1機から4機と情報が錯綜している。米軍の運用ドクトリンでは、故障等により回収不能となった機材は、敵側によるリバース・エンジニアリング(逆設計)を防ぐため、即座に破壊措置が講じられる。特にMC130JやMH6といった特殊作戦機には、最新鋭のステルス技術や暗号通信システムが搭載されており、これらが敵の手に渡ることは国家安全保障上の重大なリスクとなる。さらに、機体が無傷で捕獲されれば、政治的な宣伝工作に利用される懸念も免れない。
MC130Jは、米空軍特殊作戦コマンド(AFSOC)の中核を担う専用輸送機であり、敵地深くへの特殊部隊浸透や迅速な隊員回収など、極めて秘匿性の高い任務を主眼に置いている。一方、小型ヘリMH6は圧倒的な機動性と低騒音性を備え、精緻な夜間装備を駆使した隠密浸透任務においてその真価を発揮する機体である。今回の事案は、熾烈を極める情報戦と軍事的な緊張状態を改めて浮き彫りにしている。
















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