
中国が10年ぶりに行われる「国共トップ会談(中国共産党と台湾国民党の首脳会談)」を控え、台湾の与党・民主進歩党(民進党)を孤立させるための政治的攻勢を強めている。中東情勢の緊迫化に伴い、中国の国際的な影響力が相対的に高まっている状況下で、中国側は周到な外交戦略を展開しているとの見方が広がっている。
中台情勢に詳しい専門家が8日に明らかにしたところによると、親中派とされる台湾の最大野党・国民党の朱立倫主席が前日、習近平国家主席の招待を受け、5泊6日の日程で中国への公式訪問を開始した。歴史的な両岸(中台)トップ会談は、10日に北京で行われる予定である。
前日午前、台北松山空港を出発し午後に上海へ到着した朱主席は、中国の台湾事務担当機関である国務院台湾事務弁公室(国台弁)の宋濤主任による出迎えを受け、直ちに江蘇省南京へと移動した。車中で朱主席は「今回の訪問は極めて重要な機会である」と述べ、「地域の平和のためにこの機を必ず活かさなければならない」と訪中の抱負を述べた。これに対し宋主任は、一行を上海で歓迎できたことに謝意を示し、朱主席の訪中が中台の安定に向けた実りあるものとなるよう期待を寄せた。
現在、中台関係は極めて深刻な緊張状態にある。中国による武力統一の可能性が国際社会で懸念される中、民進党政権が中国との対話を拒み、日米との連携強化に舵を切っていることが背景にある。こうした状況において、中国側は局面打開のための突破口を模索しており、朱主席の招待は現状の膠着状態を打破するための戦略的布石とみられる。中国は今回の会談を通じ、現在の対決ムードを対話の枠組みへと転換させることを狙っている。
実際、朱主席の訪中は既に台湾国内の世論に一定の影響を及ぼしている。中台間で最も鋭く対立する「一つの中国」を巡る原則論が再燃しており、特に「台湾独立」による現状変更を危惧する層の間で関心が高まっている。国民党の政治的存在感を高め、民進党政権を外交的に孤立させるという中国の意図が、一定の成果を上げている側面がある。
中国の思惑通りに国民党の求心力が回復すれば、民進党政権が進める日米との軍事・外交的協力に対し、強い掣肘(せいちゅう)を加える要因となり得る。専門家は「中国の対台湾戦略は、内部の対立勢力との連携を強めることで現政権を揺さぶり、同時に日米の影響力排除を狙う多角的なものである」と分析しており、今回のトップ会談はその中核をなすものと言える。
当然ながら、民進党政権は中台接近の動きに強く反発している。朱主席の訪中が持つ政治的意義を否定し、目前に迫ったトップ会談を黙殺する構えだ。頼清徳総統が7日、米下院の共和党代表団と接見し、強固な米台関係をアピールしたことも、中国側の揺さぶりに対する牽制の一環である。中台および日米中を巡る情勢は、これら政治的駆け引きによって、より一層複雑な局面を迎えている。














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