
アメリカは、国際原油価格の急騰への対応として一時的に認めていたイラン産原油の販売承認を更新しない方針を示し、イランの資金源への圧迫を一段と強めた。
米国のスコット・ベッセント財務長官は現地時間15日、ホワイトハウスのブリーフィングで、ロシア産原油に対する一般免許を更新せず、イラン産原油に対する一般免許も更新しないと述べた。
ベッセント長官が言及した一般免許(general license)は、制裁対象国の原油や石油製品の購入を一定期間認めるために一時的に発給される措置を指す。
もともとロシア産とイラン産の原油には、第三国が購入できないようアメリカが制裁を科していた。しかし、中東戦争の余波で原油価格が急騰し、インドなど一部の国で燃料需給が逼迫したことを受け、先月は一時的な制裁緩和に踏み切っていた。
ロシア産原油については、先月11日に免除措置が1か月間延長されたものの、今月11日に期限を迎えた後は再延長されなかった。イラン産原油も、先月20日から30日間に限って制裁が免除されていたが、これ以上の延長は行わない方針だという。
ベッセント長官は、制裁が一時的に緩和されていた原油について、3月11日以前にすでに海上にあった分で、現在はすべて消化されたと説明した。
ロシアによるウクライナ侵攻を支える資金を結果的に与えたのではないかとの批判に対しては、原油価格が1バレル=150ドル(約2万3,800円)まで上昇した場合を考えるべきだと反論した。その上で、ロシアははるかに大きな収益を得ていたはずで、その原油は中国に向かっていたと指摘し、同盟国への供給の有無にかかわらず、アメリカは原油価格の安定に寄与したと主張して制裁の一時緩和を正当化した。
さらにベッセント長官は、ホルムズ海峡でイランを往来する船舶に対する米軍の封鎖措置が中国にも影響すると述べた。
同長官は、中国がイラン産原油の90%以上を購入しており、これは中国のエネルギー需要の約8%に当たると指摘した上で、海峡封鎖によって中国の購入は止まるとみていると語った。
また、中国の銀行2行が財務省から書簡を受け取ったことも明らかにした。具体的な銀行名は示さなかったものの、イラン資金がその銀行口座に流入したと立証できれば、二次制裁を科す用意があると伝えたという。
二次制裁は、制裁対象と取引した第三者に対しても制裁を科す措置で、第三者制裁とも呼ばれる。
ベッセント長官は、アメリカ国内で現在1ガロン当たり4ドル(約635円)を超えているガソリン価格について、6月20日から9月20日の間には、再び1ガロン当たり3ドル(約475円)で販売するガソリンスタンドが見られるとの見通しを示した。
あわせて、世界銀行(WB)と国際通貨基金(IMF)の年次総会に合わせて中東各国の財務相と会談していることにも触れ、各国ともホルムズ海峡が開放されれば1週間以内に石油輸送を再開できるとの認識を示していると説明した。国際原油価格は近く安定を取り戻すとの見方も示している。
ベッセント長官は前日、イランに対する「経済的怒り作戦(Operation Economic Fury)」を発表したとした上で、1年以上にわたりイラン政府への資金流入を遮断し、イスラム革命防衛隊(IRGC)の口座を追跡するなど、最大限の圧力をかけてきたと述べた。
その上で、イランが犯した致命的な誤りの一つは、湾岸協力会議(GCC)の近隣諸国を爆撃したことだと指摘した。これらの国々は現在、資金の流れに対する透明性をさらに高めるか、自国の銀行システム内の資金をより厳格に調べる意向を示しているという。
さらに、企業や各国政府に対し、イラン産原油を購入した場合や、イラン資金が各国の銀行に存在する場合には二次制裁を科す用意があると通知したことも明らかにした。その上で、イランはアメリカの軍事作戦で示されたものに匹敵する水準の金融的打撃を受けることになると強調した。
米財務省外国資産管理局(OFAC)は同日、「経済的怒り作戦」の一環として、モハンマド・ホセイン・シャムカニのネットワーク内で活動する個人、企業、船舶に対する制裁を発表した。モハンマド・ホセイン・シャムカニは、イラン国家安全保障会議元事務総長で、最高指導者の軍事顧問も務めたアリ・シャムハニ氏の息子とされる。
OFACは、シャムカニがイラン国民を犠牲にしながら、イラン政権中枢と結びついた一族を富ませる数十億ドル規模のイラン・ロシア石油販売網を率いていると指摘した。今回の制裁については、米国のトランプ政権がイランへの最大圧力キャンペーンを再開して以降、単一措置としては最大規模に当たると説明している。













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