先週の月曜日(9日)から始まった交渉は、2日間の集中的な議論を経てほぼ決着した。米国のドナルド・トランプ大統領は11日(現地時間)、自身と習近平中国国家主席の承認のみが残っているとSNSで明らかにした。

今回の交渉の最大の焦点はレアアースだった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などによると、中国は米製造業者へのレアアース輸出許可を6か月間緩和することで合意したという。中国は米自動車メーカーなどの製造業者が求めるレアアース輸入のためのライセンスを即時承認することに同意した。

ただし、今後無制限にレアアースを供給すると約束したわけではない。中国はいつでもライセンス承認を停止することで、米国をはじめ世界各国に圧力をかけることができる。

米国側の譲歩内容も注目される。米国は中国人学生の米大学入学を許可する方針を示した。これまで注目を集めていた半導体輸出規制の緩和については、今回公表された合意内容には含まれていなかった。

トランプ大統領はまた、米中交渉に関して中国は55%、米国は10%の関税を課すことになると述べた。ホワイトハウスの説明によると、これは今回の政権が課した対中関税30%に既存の関税率25%を加えたものだという。トランプ政権発足時の対中関税率を25%と計算しているが、これはやや誇張されているようだ。

これまでの貿易規模と各品目に対する関税率を掛け合わせた加重平均の関税率は、計算方法によって多少異なるものの、ほとんどが10%台前半とされてきた。この点についてはより詳細な説明が必要だが、要するに新たな関税は追加されなかったと解釈できる。

習主席とトランプ大統領が電話会談を行い、レアアース問題について第一段階の合意に達したことで大きな山場は越えたと言えるが、貿易紛争の火種はいつでも再燃する可能性がある。

特に今回の関税戦争は米国が仕掛けたものだが、レアアースが世界を左右する強力なカードであることを中国に再認識させる結果となった。中国がこのカードを一度だけ使うとは考えにくく、今後も紛争が起きるたびにこのカードを切る可能性が高まった。

トランプ大統領が一旦関税を適用すると宣言した後、一定期間経過して相手の態度を見て再判断するのと同様に、中国も6か月後に状況を見極めてレアアースのライセンスを再検討できるからだ。

トランプ大統領は今後も貿易赤字問題を解決するため中国への圧力を続けるとみられる。フェンタニル関税20%もまだカードとして残しているが、調整を誤れば再びレアアース・カードに阻まれる可能性があり、難しい判断を迫られることになりそうだ。

有馬侑之介
有馬侑之介

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