引用:BBC

米国のドナルド・トランプ大統領が性犯罪者のジェフリー・エプスタイン元被告に関する陰謀論を否定し、支持層の反発に直面している。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は14日(現地時間)、トランプ大統領がこれまで主張してきた数々の陰謀論の中で、エプスタイン事件ほど支持層に深く根付いているものはないと指摘した。エプスタイン元被告は未成年者の性的人身取引の容疑で有罪判決を受けて服役中に自殺した金融界の大物で、彼の死が操作されており、有力者の名前が連なる「顧客リスト」が存在するという主張が代表的な陰謀論だ。

米司法省が最近「追加公開する内容はない」として捜査終結を発表すると、トランプ大統領の核心支持者たちが強く反発した。トランプ大統領はパム・ボンディ米司法長官が「良い仕事をしている」として、これ以上陰謀論に言及しないよう求めたが、逆に支持層は公然と背を向けている。

トランプ大統領は12日、自身が運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、エプスタイン事件の責任をバラク・オバマ前大統領、ヒラリー・クリントン氏、ジョー・バイデン前大統領など民主党関係者に転嫁しようとしたが、支持者たちはこれを受け入れなかった。

極右メディア「ウォー・ルーム」のナタリー・ウィンターズ記者は「支持者たちがエプスタイン元被告の陰謀論を公然と無視したことに怒っている」とし、「これほどまでに支持が揺らいだことはなかった」と述べた。ソーシャルメディアの有名人であるマイク・サーノビッチ氏も「誰も政府の発表を信じていない」と批判した。

トランプ政権初期に24日間国家安全保障顧問を務めたマイケル・フリン氏でさえ「エプスタイン元被告に関する数々の陰謀論は消えないだろう」とし、「今こそそれを解決しなければならない」と要求した。俳優でトランプ大統領の熱烈な支持者であるロザンヌ・バー氏は「私たちは今でもエプスタイン元被告について気にかけている。子どもたちを性売買から守ることをおろそかにはできない」とトランプ大統領を正面から批判した。

ウィンターズ記者は、エプスタイン元被告の陰謀論が「ディープステート(Deep State・闇の政府)」陰謀論と関連しているため、「トランプ大統領の政治運動であるMAGA(米国を再び偉大に)の根幹」だと指摘した。彼女は「選挙で選ばれない権力、つまり銀行家・企業・情報機関などが国を支配しているという信念を売り込んできたトランプ大統領が、実際にそれを暴露できる権力を持ちながら沈黙しているなら、それは無能か妥協したことを意味する」と批判した。

トランプ大統領は二度の戦争と金融危機で米国社会に不信感が深まった隙をついて政界に進出し、自身だけが既得権と戦えると主張してきた。昨年暗殺未遂に遭った後、「自分が既得権層にとって脅威的な存在であるため狙われた」と述べ、支持層の結束に利用した。この事件の直後に開かれた集会は宗教的な雰囲気で行われ、参加者たちは「Qアノン(QAnon)」陰謀論勢力のスローガン「私たちが一つなら皆が一つ」を繰り返した。

しかし、大統領に当選した今、むしろ自らが育てた陰謀論から脱却するよう求めたことで、支持者たちは混乱している。ウィンターズ記者は「一体なぜこんなことになっているのかわからない」と不満を漏らした。

竹内智子
竹内智子

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