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トランプ関税、次の政権でも継続か 「関税中毒」アメリカが抱える22兆円のジレンマ

織田昌大 アクセス  

引用:AFP通信
出典:AFP通信

ドナルド・トランプ米大統領が率いる米共和党政権が、今年に入って世界各国に対し大規模な関税措置を講じるなか、政権が交代してもこうした関税政策が継続されるのではないかという見方が出ている。財政赤字が拡大するアメリカ政府にとって、関税収入は相当な財源となっているためだという。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は3日(現地時間)、トランプ大統領による2期目の政権でも膨大な関税収入が見込まれることを指摘し、仮に民主党が政権を奪還したとしても、関税を手放すのは容易ではないと主張した。

NYTによれば、今年1月から7月の米国の関税収入は1,520億ドル(約22兆4,335億9,800万円)に上り、前年同期の780億ドル(約11兆5,120億2,700万円)の約2倍に達しているという。経済アナリストらは、現在の関税体制が維持されれば、今後10年間で2兆ドル(約295兆1,801億9,000万円)を超える追加の関税収入が見込まれると予測している。

関税は経済効率を低下させ、特に低所得層への負担が大きいことから、撤廃を求める声が経済学者の間で多数を占めている。一方で、現在のような米国の財政状況では、関税収入の放棄は難しいとの見方も根強い。

米ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのジョアオ・ゴメス経済学教授は「関税には一種の中毒性がある」としたうえで、「巨額の赤字と借金を抱える中で、収入源を手放すのは非常に難しい」と述べている。また、イェール大学予算研究所のアーニー・テデスキ経済部門長も、関税撤廃が米国の財政赤字の悪化を招くようであれば、将来の政権も慎重な対応を迫られるのではないかと分析している。

仮に関税を廃止する場合、これを代替する他の税収源を確保する必要があり、これは政治家にとっても大きな負担となる。すでに一部の政治家の間では、関税収入を国民に還元する案が提示されている。

トランプ大統領は先月25日、記者団に対し「一部の還元策を検討している」と語ったうえで、「最終的な目標は債務の削減だが、還元についても考えている」と述べた。共和党のジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州)は先月29日、全米国民に1人あたり600ドル(約8万8,555円)を給付する法案を提出している。

NYTは、政治的に新たな増税が困難ななかでは、貿易政策の抜本的な見直しよりも、既存の関税体制を維持する方が現実的な選択肢になりうるとの見解も示している。仮に民主党が政権に復帰した場合でも、社会保障制度の新設などに関税収入を充てる可能性もある。

ただしNYTは、トランプ大統領の主張通り、米国内回帰の動きが強まれば、結果として米国の関税収入が減少する可能性もあると指摘している。また、関税の引き上げによるインフレ圧力が再び高まった場合には、関税の引き下げが議論される余地も残されているとのこと。

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