
日本銀行は今年初の金融政策決定会合、2日目となる23日に政策金利を現行の0.75%で据え置く見通しだ。市場の関心は据え置きそのものよりも、植田和男総裁がどの程度タカ派寄りのメッセージを示すかに集まっている。記録的な円安に加え、来月の総選挙を控える高市早苗首相の減税公約が、物価上昇の圧力を強めているためだ。
金利は据え置きつつ、成長・物価見通しは上振れか
海外メディアや関係者の見方として、日銀は今回の会合で政策金利を0.75%に維持する可能性が高いとされる。日銀は先月の会合で、11か月ぶりに利上げを再開し、0.25ポイント引き上げた経緯がある。
一方、同時に公表される四半期の経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、2026年度の実質成長率見通しを、従来の0.7%から小幅に引き上げる可能性がある。政府の景気下支え策に加え、米国の関税の影響が和らぐ可能性などを織り込み、成長見通しが上向くとの見立てが出ている。
2026年のコア消費者物価指数(CPI)の上昇率見通しも、従来の1.8%から小幅に上方修正される余地がある。政府の公共料金支援が続く一方で、輸入物価の上昇と堅調な賃金上昇が物価を押し上げているという。
拡張財政と引き締め姿勢のずれが焦点に
植田総裁にとって重荷となりかねないのが、早期総選挙を前にした政治の動きだ。高市首相は19日、2月8日の早期総選挙を表明し、消費税の減税と財政支出の拡大を掲げた。拡張的な財政政策がインフレ圧力を高め、金融引き締めを志向する日銀の政策運営とねじれを生むおそれがある。
拡張財政は物価上昇を促し、日銀に利上げの根拠を与え得る。他方で、高市首相は景気下支えの観点から、低金利の維持を望むとみられている。
今週初めに国債市場で強まった売り圧力への警戒感も残る。高市首相が掲げる時限的な消費税0%公約を受け、財政悪化への懸念が広がったことで、超長期債を中心に利回りが急騰し、市場心理が大きく揺れた。当局の口先介入や押し目買いもあって、その後は長期金利が2日連続で低下し、いったん落ち着きを見せたものの、安心するには早いとの指摘がある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、超長期金利の低下は今週初めに過度に売られた反動だとし、債券市場の変動性は依然として高く、金利が急激に振れやすい状況が続くと警告した。
円安対応で、4月利上げ観測が強まるか
記録的な円安への対応も焦点となる。先週の円相場は一時、1ドル=159.45円まで下落し、円の対ドルの価値は18か月ぶりの低水準を付けた。円安による輸入物価の上昇が家計を圧迫しているとして、日銀が市場の想定より早く動く可能性があるとの見方が出ている。
専門家調査では、7月の利上げを見込む回答が多数を占める一方、円安リスクを抑える観点から、4月の追加利上げの可能性も一部で取り沙汰されている。JPモルガン証券の藤田亜矢子チーフエコノミストは、足元の円安が日銀の連続利上げに慎重な姿勢を変え得るかどうかが、重要な注目点になるとの見解を示した。
















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