
総務省が3日に発表した2025年の「住民基本台帳人口移動報告」によると、東京都は6万5,219人の転入超過となり、全国で最も多かった。前年より1万4,066人減少し、4年ぶりに転入超過の増加幅は縮小したものの、東京一極集中の傾向は続いている。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年・2021年は転入超過が減少したが、2022年以降再び増加している。
年齢別では、進学や就職を目的とした20~24歳の転入超過が5万7,263人で最も多かった。一方、9歳以下と35歳以上は転出超過となっており、都心部のアパート価格や家賃の上昇が転入の鈍化要因と指摘されている。
関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県)の転入超過は12万3,534人で、前年より1万2,309人減少した。これに対して関西圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県の2府2県)は8,742人増加、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県の3県)は1万2,695人の転出超過となった。
全国の自治体では、神奈川・埼玉・千葉・滋賀・大阪・福岡の6自治体が転入超過で、残る40自治体は転出超過だった。最も転出超過が多かったのは広島県(9,921人)、次いで福島県(7,197人)だった。滋賀県は外国人の転入増加により前年の転出超過から転入超過に転じた。集計は住民基本台帳に基づき、外国人も含めた実数で行われており、国外からの転入は78万2,165人、国外への転出は40万9,592人だった。
◇東京一極集中の問題点
東京圏のGDPは日本全体の46.9%を占め、経済機能が集中することで地方の衰退が加速している。若年層の流出により地方の高齢化が進み、災害時には首都機能が麻痺する懸念も大きい。政府は地方創生政策として企業の移転やリモートワークを促進しているが、効果は限定的だ。林芳正総務大臣は3日、「一定の成果はあるが、関東圏への集中の流れを変えるにはまだ時期尚早」と述べた。2027年には関東圏の転入・転出の均衡を目標としているが、29年連続で東京都の転入超過記録を更新している。
2014年、安倍晋三前首相のアベノミクス時代に地方創生が始まった。税制優遇やインフラ投資、リモートワーク支援で地方への移転を促すが、若年層の「上京志向」に阻まれている。コロナ禍で在宅勤務が拡大した2020年には地方移住が増加したが、2022年には都市への復帰が急増した。
オリンピックや災害復旧事業も東京集中をさらに強めている。首都圏の人口比率は34%とOECD加盟国の中で最高水準であり、東京23区の人口はむしろ増加傾向にある。専門家は大阪や名古屋の育成など「多極化」戦略を提案しているが、地方財政の悪化により実効性には疑問が呈されている。地方分権を視野に入れた改憲議論もあるが、進展はない。この統計は、2月8日の衆議院議員総選挙を前に、地方創生に関する公約競争の動きを予告している。自民党は地方移転企業への税制優遇強化を、野党は地方予算の大幅増額を主張している。
















コメント0