
ドナルド・トランプ米大統領は、イラン攻撃の正当性を繰り返し強調しているが、米国内の世論は決して好意的とは言えない。イランの「差し迫った脅威」を防ぐために武力行使が不可欠だったという見方よりも、トランプ大統領の恣意的な「選択」によるものではないかとの指摘が相次いでいる。
米国民の否定的な反応は、世論調査でも確認された。28日(現地時間)、イラン空爆直後に実施されたロイター通信とイプソスによる緊急世論調査では、米国のイラン攻撃を支持すると答えたのは27%にとどまった。「反対」は43%、「分からない」は29%だった。さらに、過半数にあたる56%が、トランプ大統領は軍事力をあまりにも容易に行使しようとする傾向があると答えた。
政界からの批判はさらに強まっている。民主党の一部関係者は、トランプ大統領が昨年6月の米国による空爆でイランの核能力を「完全に破壊した」と主張していた点などを踏まえ、今回の空爆には明確な戦略目標が欠けていたのではないかとの疑問を呈している。
アンディ・キム連邦上院議員(民主・ニュージャージー州)は、米政治専門メディア「ポリティコ」に対し、「彼らが言う『差し迫った脅威』とは、この地域に対する我々の前例のない軍事力増強への反応である可能性が高い」と指摘した。さらに「これは、大統領がまずやりたいことを決め、その後に政権がそれを正当化できるあらゆる理由を探し出した事例だ」と付け加えた。
最近、トランプ政権からブリーフィングを受けた民主党のマーク・ワーナー上院議員(バージニア州、上院情報委員会副委員長)は、CNNに対し「米国に対するイランのいかなる先制攻撃が差し迫っているという情報にもまったく接していない」と述べ、大統領が「選択による戦争(war of choice)を始めた」と指摘した。
さらにこの日、イランによる報復攻撃で米軍に死傷者が出たことで、懐疑的な見方は一層強まっている。民主党のチャック・シューマー上院院内総務(ニューヨーク州)は声明で、トランプ政権が「(イランの)脅威の範囲や緊急性に関する重要な詳細を、議会と国民に提供していない」と批判した。
批判は、トランプ大統領の中核支持層である「MAGA(Make America Great Again、米国を再び偉大に)」陣営からも上がっている。対外的な軍事介入を自制するとの従来の約束と食い違っているためだ。
保守系論客のタッカー・カールソン氏は今回の事態について「不快で邪悪な行為だ」と述べ、「情勢を根本的に覆すことになるだろう」と語った。
かつてはトランプ大統領の熱烈な支持者だったが、現在は袂を分かったマージョリー・テイラー・グリーン前下院議員も強い反発を示した。彼女はX(旧ツイッター)への投稿で「(トランプ政権は)常に虚偽だったし、米国は後回しにされてきた」とし、「しかし今回は最悪の裏切りのように感じる」と書いた。
特にグリーン前下院議員は、少なくとも165人の死者が発生したイランの小学校空爆について「こんなことのために選挙運動をし、金を寄付し、投票したわけではない。これは我々が考えていた『MAGA』の姿ではない」と批判した。
メディアからも同様の指摘が出ている。
米日刊紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「トランプ大統領にとって、イラン攻撃は究極的に選択による戦争」というタイトルの記事を掲載した。NYTは「イランからの差し迫った脅威はなかった」とし、「しかしトランプ大統領は弱体化したイラン政府を崩壊させる機会を見ており、民衆の反乱を引き起こすことができると期待している」と伝えた。
また、以前の大統領たちとは異なり、トランプ大統領は戦争の名分を積み上げるのに数ヶ月の時間をかけなかったとも伝えられている。
彼は差し迫ったイランの脅威の証拠を示さず、わずか8ヶ月前に自らが「完全破壊」を宣言したイランの核プログラムがなぜ今になって復活したのかという質問にも答えなかったという。
リチャード・ハース外交問題評議会(CFR)前会長は、今回の米国の攻撃が敵の差し迫った脅威に対応する「先制攻撃」ではなく、潜在的な脅威に対応する「予防攻撃」に近いと評価した。
著書『War of Necessity, War of Choice』の中で論じているように、今回の攻撃は2003年の米国によるイラク侵攻と類似しており、イランを攻撃する「必要性」があったのではなく、「機会」があったのだと説明した。














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