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「株価40%下落の衝撃」…クリエイティブ帝国アドビでトップ交代へ、AI革命の波に揺れる“フォトショップ王国”

織田昌大 アクセス  

引用:depositphotos
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アドビのシャントヌ・ナラヤン最高経営責任者(CEO)が、人工知能(AI)時代における競争力への投資家の懸念が高まる中、辞任することになった。AI技術の急速な拡大によりクリエイティブソフト市場の競争が激化する中、経営トップの交代が決まり、今後の戦略の方向性にも関心が集まっている。

13日、ブルームバーグによると、ナラヤンCEOは後任が任命されるまでCEO職を維持した後、退任する予定だ。退任後もアドビの取締役会議長として会社に残る。ナラヤン氏は2007年末にCEOに就任し、約18年間にわたり同社を率いてきた。

市場では今回の経営交代が、アドビの戦略的継続性やイノベーションのスピード、資本配分戦略などに新たな不確実性をもたらす可能性があるとの見方も出ている。市場調査会社イーマーケターのグレース・ハーマン氏は「次期経営陣が規律ある経営と積極的なAI投資のバランスを保てるかが投資家の最大の関心事になるだろう」と指摘した。

この報道を受け、アドビ株は同日の時間外取引で約7%下落した。アドビ株は今年に入って約23%下落し、過去3年で最低水準に近づいている。

アドビはフォトショップやイラストレーターなどのクリエイティブソフトを中心に市場支配力を維持してきたが、生成AI技術の拡大により競争環境は急速に変化している。グーグルなど競合企業が開発したAI画像・動画生成モデルの登場により、従来のソフトウェア中心の創作市場が揺らいでいるとの指摘もある。

こうした状況を受け、アドビはクリエイティブおよびマーケティングソフト全体にAI機能を統合し、画像生成AIモデル「ファイアフライ(Firefly)」を投入するなどAI戦略を強化してきた。同社によると、ファイアフライなどAI関連製品の年間経常収益は、今年度第1四半期に前年同期比で3倍以上に増加した。昨年9月時点では、これら製品の売上高は2億5,000万ドル(約398億4,100万円)を超えていた。

ナラヤンCEOは在任期間中、アドビの成長を大きく牽引したと評価されている。同氏の就任以降、同社の年間売上高は約6倍に増加し、約240億ドル(約3兆8,300億円)規模に拡大した。従業員数も約7000人から3万人以上に増えている。特にソフトウェア販売モデルを一括購入型からサブスクリプション型へ転換する戦略を成功させたことで知られる。

米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOはSNSの「X(旧ツイッター)」に「ナラヤンはアドビで伝説的な成果を残した」と投稿した。また、アドビが2022年に買収を試みたデザインプラットフォーム「フィグマ」のディラン・フィールドCEOも「彼はアドビのビジョンに向けて絶えず努力してきたリーダーだ」と評価した。

一方、アドビは5月までの四半期売上高を64億3,000万~64億8,000万ドル(約1兆250億~約1兆330億円)と予想している。これは市場予想とほぼ同水準だ。特定項目を除いた1株当たり利益(EPS)は5.80~5.85ドル(約924~932円)と見込まれている。

直近の会計年度第1四半期(2月27日終了)の売上高は前年同期比12%増の64億ドル(約1兆200億円)となり、市場予想の62億8,000万ドル(約9,881億2,300万円)を上回った。調整後の1株当たり利益は6.06ドル(約966円)で、市場予想の5.88ドル(約937円)を上回った。

ただし比較的安定した業績にもかかわらず株価が大きく下落したことで、経営交代を求める圧力が強まった可能性もある。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アヌラグ・ラナ氏は「アドビの財務指標は昨年以降大きな変化がないにもかかわらず、株価はほぼ40%近く下落した。この株価低迷がCEO交代の主要な背景になった可能性が高い」と分析している。

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