米海洋覇権に対抗姿勢か 中国空母「福建」が遠洋訓練へ向かう狙い

中国の3隻目の空母、福建艦が活動範囲を広げている。中国国営メディアの環球時報は12日、福建艦が完全な作戦能力の確立に向け、遠洋訓練を実施する予定だと報じた。
西太平洋への進出が見込まれる福建艦は、中国で初めて電磁式カタパルト「EMALS」を搭載した空母である。報道によると、福建艦にとって今年は、基礎的な戦闘能力から完全な戦闘能力へ移行する重要な節目に当たる。中国の軍事評論家ウェイ・ドンシュー氏は中国中央テレビの取材に対し、福建艦の遠洋訓練は2段階で進むとの見方を示した。まず空母打撃群としての展開能力を確立し、その後に十分な統合作戦能力が備われば、遠洋作戦へ自然につながっていくという分析である。さらに、西太平洋で長期間の訓練を行う場合には、他国の偵察機や艦艇による外部からの干渉が起こり得るとも指摘した。そのうえで、遠洋訓練には高水準の戦闘準備態勢に加え、不測の事態を想定した総合的な備えも欠かせないと説明している。

こうしたなか、台湾は11日、中国軍による台湾海峡封鎖を想定した軍事訓練を行い、防衛能力を点検した。台湾国防部によると、今回の訓練は、中国軍が台湾を封鎖する状況を想定し、平時から戦時体制へ移行する手順を確認するとともに、海軍と空軍による対封鎖作戦の遂行能力を検証することに重点が置かれた。
福建艦は2025年11月に正式就役して以降、艦載機の発着艦訓練や空母打撃群の機動訓練を進めてきた。この過程で、中国はJ-35、J-15T、J-15DT、KJ-600など多様な艦載機を投入し、EMALSを用いた発着艦訓練も重ねている。排水量は約8万トンで、70機前後の艦載機を搭載できるとされる。福建艦は中国初のEMALS搭載空母でもある。カタパルトは、空母の甲板から艦載機を射出するための装置だ。米国の空母はこれまで主に蒸気式カタパルトを採用してきたが、最新鋭空母USSジェラルド・R・フォードではEMALSが本格導入された。一方の中国は、蒸気式カタパルトを経ずに電磁式の導入へ直接踏み切った。

専門家の間では、福建艦が遠洋作戦能力を確立すれば、中国海軍の作戦半径は第2列島線まで広がるとの見方が出ている。列島線とは、中国が海上安全保障上の基準として意識してきた海域区分を指す。第1列島線は沖縄、台湾、フィリピン、マラッカ海峡を結ぶ仮想線であり、その外側の第2列島線は伊豆半島、グアム、サイパン、インドネシアをつなぐ線とされる。さらに第3列島線は、最も外側に位置するアリューシャン列島、ハワイ、ニュージーランドを結んだ線である。福建艦の遠洋訓練は、中国が米国の世界的な海洋覇権に対し、本格的に対抗する姿勢を示した動きとして受け止められている。
















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