
イランにおいて昨年、少なくとも1,639人に対して死刑が執行され、1989年以降で過去最悪の記録を更新した。1日平均4人以上という異常なペースは、戦時下の国内における極めて深刻な人権侵害の現実を物語っている。
ノルウェーの「イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)」とフランスの「死刑廃止団体(ECPM)」が12日に発表した共同報告書によると、昨年の死刑執行数は前年比で68%急増した。IHRは、当局によって多くの執行が隠蔽されている実態を考慮すれば、この数字は氷山の一角に過ぎないと警告している。
特に懸念されるのは、今年1月に発生した大規模デモに関連した処刑である。2月28日の開戦以降もデモ参加者への死刑が執行されており、数百人が処刑の危機に直面している。IHRのモガダム所長は、「連日の処刑は国民に恐怖を植え付けるための政治的なデモンストレーションであり、崩壊しつつある現体制を維持するために利用されている」と厳しく断じた。報告書は、現在の危機的状況下で死刑が「統治の道具」として常態化することを危惧している。
犠牲者の属性も偏りが顕著である。薬物犯罪を名目とした処刑が半数を占める一方で、バルーチ族やクルド人といった少数派のスンニ派住民が不当に標的とされている。また、女性の執行数も過去20年で最多の48人を記録。その中には、長年のDV被害の末に抵抗した女性たちも含まれており、イランの司法制度が社会的弱者に対して極めて過酷に運用されている実態が指摘されている。執行方法のほとんどは刑務所内での絞首刑だが、公開処刑も前年比で3倍以上に急増しており、政権による国民への威嚇がエスカレートしている。















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