
アップルを時価総額4兆ドル(約636兆円)規模の企業へ成長させ、スティーブ・ジョブズ氏後の企業像を築いたアップルCEOのティム・クック氏が、9月にジョン・ターナス氏へ最高経営責任者の職を引き継ぐ。
20日、ロイターやAFPなどによると、ターナス氏は9月1日付でCEOに就任する見通しだ。
2011年からCEOを務めてきたクック氏は、今後は取締役会議長に就く予定となっている。円滑な引き継ぎに向け、夏まではCEO職を維持しながら後任への移行を進める方針だ。
クック氏は声明で、アップルのCEOとして特別な企業を率いることができたことは、自身の人生における最大の栄誉だったと振り返った。
CNNは、今回の退任について、2025年末から続くアップル経営陣の交代の流れの一環だと報じた。これに先立ち、AI責任者、政策責任者、最高デザイン責任者が相次いで退いている。
2001年にアップルへ加わったターナス氏は、社内で温和な人柄と高い技術力で広く知られ、クック氏の有力な後継候補とみられてきた。
代表的な実績の一つが、Mac向けのインテル製チップをアップル独自設計の半導体へ切り替える取り組みである。社内のシリコンチームと連携して移行を主導し、省電力性能の高さを裏付けた。2020年の切り替え後はMacの販売が大きく持ち直し、iPadやAirPodsの誕生にも関わったとされる。
ターナス氏と働いた経験がある元アップル人事担当者のクリス・ディバー氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ジョン氏は優れた協業型のリーダーだと評価した。その上で、いま製品に強い指導者がトップに就くことは、アップルの先行きにとって良い兆候になるとの見方を示している。
ターナス氏には、クック体制の下で薄れたとの見方もあるアップル独自の革新性を、再び前面に押し出す役割が求められる。
D.A.デビッドソンのギル・ルリア専務理事は今回の人事について、折りたたみスマートフォンや眼鏡型端末、VR機器、AIピンといった新たなハードウェア分野へ同社が注力していく可能性を示すものだと分析した。
一方、クック氏は最高執行責任者(COO)を経て、2011年にアップルのCEOへ就任した。
Mac、iPod、iPhoneといった主力製品群に続き、エンターテインメントやヘルスケア、ウェアラブル端末などの分野でも事業を拡大し、同社の成長を後押ししてきた。
さらに、コロナ禍に加え、米国のドナルド・トランプ大統領の関税政策や米中貿易摩擦など、経営環境を大きく揺さぶる局面も乗り越えたとCNNは評価している。













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