
ウクライナとイスラエルは、ロシアが占領地から「略奪した」とされるウクライナ産穀物の輸入問題を巡って対立を深めている。
欧州連合(EU)もロシアが占領地で奪ったウクライナ産穀物の取引を支援または容認した個人や団体に対し、制裁を科す用意があるとイスラエル側に警告した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日(現地時間)、SNSのXに「ロシアが盗んだ穀物がイスラエルの港に到着し、荷下ろしの準備が進められている。これは合法的な取引ではないし、合法であるはずがない」と投稿した。
さらに「イスラエル当局が自国の港にどの船が入港し、どのような貨物を積んでいるかを把握していないはずがない」と指摘した。
また「ロシアは一時的に占領した地域から組織的に穀物を略奪し、占領当局と結び付いた個人を通じて輸出している」とし、直接輸送に関与した者だけでなく利益を得ようとする個人や法人も対象とした制裁措置を準備していると警告した。
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は同日、イスラエル大使を外務省に呼び抗議文書を手渡し、適切な対応を求めたと明らかにした。シビハ外相は「友好的なウクライナとイスラエルの関係は双方に利益をもたらす可能性がある」とし「ロシアが盗んだウクライナ産穀物の違法取引が両国関係を損なうべきではない」と強調した。
これに対し、イスラエルのギドン・サール外相は、穀物を積載しているとされる貨物船パノルミティス号について調査を実施し、法に基づき対応する方針を示した。
EU欧州委員会の報道官は欧州メディアに対し「ロシアの偽装船が盗まれたウクライナ産穀物を積み、イスラエル北部のハイファ港に入港した事実を把握している」と明らかにした。
そのうえで「ロシアの違法な戦争遂行を支援し、EU制裁を回避するいかなる行為も非難する。必要であれば第三国の個人や団体も制裁対象に加える」と警告した。
パノルミティス号は小麦約6,200トンと大麦約1万9,000トンを積載しているとされ、現時点で荷下ろしは開始されていない。
ウクライナ政府はEUに対し、フロンテックスを含むあらゆる手段を活用し、ロシアによる略奪穀物の海外販売を阻止するよう要請した。
ウクライナの調査報道関係者によると、パノルミティス号は占領下のウクライナ領内で積み替えられた穀物を積み込み、ロシア南部のカフカス港を出港したとされる。穀物の多くは、アゾフ海沿岸の占領下ウクライナ都市ベルジャンシクから搬出された可能性があるという。
ウクライナ政府関係者は欧州メディアに対し「ウクライナがイスラム革命防衛隊をテロ組織に指定し、反ユダヤ主義の犯罪化を進めるなど戦略的に示してきた善意を踏まえれば、今回の対応は侮辱的に受け止められる」と不満を示した。
ウクライナ産とされる穀物がイスラエルに持ち込まれたケースは今回が初めてではない。ロシアの貨物船アビンスク号は約4万4,000トンのウクライナ産小麦を運びイスラエルに輸送したとされ、これにウクライナ側は強く抗議していた。
ウクライナ外務省は、当該船が12日から14日までハイファ港での荷下ろし作業を許可されていたことをイスラエル側が認めたと明らかにした。
イスラエル紙の調査によると、今年に入って少なくとも4回、盗まれたとされるウクライナ産穀物がイスラエルで荷下ろしされた可能性があるという。
ウクライナ政府の推計では、2022年の本格侵攻以降、ロシアが占領地から持ち出したウクライナ産穀物は少なくとも1,500万トンに上るとされる。
ロシアの侵攻開始以降、ウクライナとイスラエルの関係は慎重な姿勢が続いている。イスラエルはロシアとの関係維持を考慮し、ウクライナへの直接的な軍事支援には慎重な立場を取ってきた。
















コメント0