
米国のドナルド・トランプ大統領が2017年11月に中国を訪問した際、中国の習近平国家主席は異例の厚遇で迎えた。北京の中心部にある天安門一帯を大規模に規制して歓迎行事を開き、外国首脳として初めて紫禁城での晩餐も共にしている。当時は通常の国賓訪問の儀礼を上回る対応だとして、国賓訪問プラスという表現まで使われた。
ただ、13日から15日まで予定されている今回の訪中では、前回のような華やかな演出よりも、緊張感の強い駆け引きが前面に出る見通しだ。イラン戦争とホルムズ海峡封鎖の危機が続く中、米国が中国に対し、イランへの圧力強化を強く求めているためである。全方位で覇権を争う両首脳は、イランとロシアの問題をはじめ、核軍縮、人工知能(AI)、貿易・投資、レアアース、航空・宇宙、農業、エネルギーなど、幅広い議題を巡って直接交渉するとみられている。

トランプ大統領と習近平国家主席、6回対面へ
ホワイトハウス副報道官のアンナ・ケリー氏は10日の電話会見で、トランプ大統領は今回の訪問を通じて米国の経済的自立を取り戻すため、中国との関係を再調整し、相互主義と公平性を最優先に据える考えだと説明した。
両首脳は14日と15日の2日間で、少なくとも6つの行事に顔を合わせる。14日には公式歓迎行事、首脳会談、北京の名所である天壇公園の視察、国賓晩餐が予定されている。15日も中国出国前に、トランプ大統領は習近平国家主席とティータイムや実務昼食を行うという。ケリー氏はさらに、年内にワシントンで習近平国家主席夫妻を迎える返礼行事を期待していると述べた。今年12月には、トランプ大統領の私邸マール・ア・ラーゴがあるフロリダ州でG20首脳会議が予定されており、習近平国家主席の訪米実現にも注目が集まっている。
米政府高官は今回の会談で、中国によるイランとロシアへの支援が主要議題の一つとなり、トランプ大統領が習近平国家主席に強い圧力をかけるとの見方を示した。トランプ大統領は、中東と欧州で続く二つの戦争において、中国がイランとロシアを支える後ろ盾になっているとみている。この高官によると、トランプ大統領はこれまでの習近平国家主席との電話会談でも、中国によるイラン産原油の購入、武器輸出の可能性、ロシア向けの二重用途製品の輸出などを繰り返し問題視してきた。中国はイラン産原油の輸出量の約90%を引き受ける最大の買い手として知られている。

一方、中国側は中東戦争の仲介をてこに、米国へ台湾問題を巡る踏み込んだ立場表明を求める可能性があるとの観測も出ている。武器売却への反対を含め、台湾独立に関して米国が現在用いている支持しないという表現を、より強い意味を持つ反対するへ改めるよう迫る可能性があるという見方だ。
今回の会談では、北朝鮮の核問題に関連して、朝鮮半島の非核化の重要性を改めて確認する可能性もある。このほかホワイトハウスは、AIやサイバー分野について、衝突回避に向けた意思疎通のルートを模索し得るとしている。
輸出規制でも接点を探る見通し
米中は昨年、高関税を応酬した末、11月に1年間の貿易戦争休戦で合意した。この過程で、米国は半導体、中国はレアアースをそれぞれ輸出規制の材料として掲げている。米政府高官は、休戦は依然として有効で期限も切れていないとしたうえで、双方とも安定を望んでいるため、適切な時期に休戦延長が発表される可能性が高いとの認識を示した。

米国は今回の会談で、ボーイング機や牛肉、大豆などの対中輸出拡大と、貿易不均衡の是正を優先的な経済目標に位置付けている。ホワイトハウスはまた、両国が米中貿易委員会と投資委員会の構想を協議する予定だと明らかにした。これは経済分野の協議に向けた新たな枠組みで、前者は機微性の低い品目を中心に両国の貿易を管理することを想定し、後者は投資懸案を扱う政府間フォーラムの性格を持っている。
もっとも、象徴的な意味合いを超えて実務面で機能するかどうかには懐疑的な見方もある。対外経済貿易大学のトゥ・シンチュエン教授は英誌エコノミストの取材に対し、米中関係の安定とは関係改善ではなく、悪化を防ぐことを意味すると指摘したうえで、今回の首脳会談は大妥協よりも大破綻を避けることが最善だと述べている。
















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