
米国が中国によるレアアースの武器化に対抗し、総力戦に乗り出す中、米国防総省でレアアース投資を担う特命組織が注目を集めていると、ブルームバーグ通信が15日に報じた。
報道によると、この組織は元金融投資業界の関係者で構成され、内部では「ディール・チーム・シックス(Deal Team Six)」と呼ばれている。米海軍の特殊部隊「ネイビーシールズ・チーム6」をもじった名称だ。
同チームの業務は、国防総省とウォール街を組み合わせた「ハイブリッド型」とされる。国家安全保障を支えるレアアース供給網の構築を目標に、数十億ドル規模の出資、長期の最低価格保証制度、購入確約、融資など、さまざまな契約業務を担当している。
ブルームバーグは、こうした動きは過去10年間の米国の政策基調とは大きく異なると指摘した。これまで米国は、中国向けの輸出規制、中国企業による米国内投資や買収の阻止、スパイやハッカー捜査に重点を置いてきたが、今では防御的な措置を超え、積極的な投資や新規事業の発掘に乗り出しているという。
実際、国防総省は昨年だけで、米レアアース鉱山会社MPマテリアルズに4億ドル(約630億円)を投じ、最大株主の地位を確保するなど、大規模なレアアース投資を複数回実施している。
ディール・チーム・シックスの正式名称は「経済防衛ユニット(EDU)」だ。EDUが今後3年間に運用する資金は2,000億ドル(約298兆円)に達する。プライベートエクイティ業界出身の億万長者であるスティーブン・ファインバーグ国防副長官の直属機関として、商務省や米国際開発金融公社(DFC)などの関連機関と連携し、投資や事業契約を進めている。
しかし、こうした措置を巡っては議論も多い。
代表的なのは、経済合理性を無視した「市場への不当介入」が起こり得るとの指摘だ。

実際、米当局はレアアース磁石企業に投資する一方、磁石の需要先である米国内の主要自動車メーカーにも少なからぬ圧力をかけているとされる。レアアース磁石がまだ大量生産されていない段階でも、自動車メーカーに購入確約を促し、民間側にリスクを転嫁しかねないとの批判が出ている。
利益相反を巡る指摘も相次いでいる。
特に、ファインバーグ副長官が共同創業者だったプライベートエクイティ運用会社「サーベラス・キャピタル・マネジメント」が、国防総省の投資分野と重なる産業で主導的な役割を果たしており、不正が生じやすい環境がつくられているとの批判が強まっている。
ドナルド・トランプ米大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア氏がパートナーを務める投資会社が、レアアース関連スタートアップ「バルカン・エレメンツ(Vulcan Elements)」に投資したことも大きな論争を呼んだ。同社は国防総省から6億2,000万ドル(約924億円)の条件付き融資契約を獲得している。
米議会も、政府による直接投資を規制する明確な手段がないとして対応に苦慮している。
ロジャー・ウィッカー上院軍事委員長(共和党・ミシシッピ州)は今年2月の公聴会で、「最近急増している政府による出資取引を規制する法的根拠は、現時点ではほとんど存在しない」と指摘した。

それでも、トランプ政権の立場は明確だ。
中国が主要なレアアース資源で80~90%に達する圧倒的な生産シェアを握っており、昨年の対米関税紛争ではレアアース供給停止を決定的な脅しのカードとして使ったことから、代替供給網の構築は不可欠だという。
ブルームバーグ・エコノミクスのクリス・ケネディ経済戦略アナリストは、「最近の国防総省プロジェクトは、単に国防需要を満たすためだけではなく、より広範な産業基盤を支えることを目的としている」とし、「過去にはこのような包括的なプロジェクトは事実上不可能に近かったが、今は状況が変わった」と述べた。
















コメント1
gimuri
>「過去にはこのような包括的なプロジェクトは事実上不可能に近かったが、今は状況が変わった」 確かに中狂の今の状況を考えれば包括的な操作は必要なのだろうが、人権も環境汚染も顧みない中華の姿勢に、特にコスト面では太刀打ちできない様に思うが??