
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は20日、中国の習近平国家主席との首脳会談後に行われた記者会見で、両国関係が最高水準に達しているとの認識を示した。
習主席は、「中ロは新時代における全面的な戦略協力パートナー関係を発展させてきた」と述べた。両首脳は会談後、47ページに及ぶ共同声明にも署名した。
両国首脳が友好関係を強調し、大部の共同声明を発表したにもかかわらず、中国とロシアの過去と未来を左右する中核的な戦略利益は、依然として未解決の課題として残されていることを浮き彫りにした。
中国の東方進出の意思がにじむ日本海進出
両国の共同声明には、中国の長年の悲願とされる日本海進出に関する内容が盛り込まれた。
「日本海進出」とは、中国がロシア沿海州と北朝鮮によって海への出口を塞がれている状況の中で、日本海への進出権利を意味する。
共同声明では、「双方は1991年5月16日付『中ソ国境東部区間に関する中華人民共和国とソビエト社会主義共和国連邦との協定』第9条に基づき、豆満江の海上アクセス権問題について、北朝鮮との3者協議を継続することを再確認した」と表現した。
中国の日本海進出には、ロシア沿海州のザルビノ港や北朝鮮の羅津港などを利用する、いわゆる他国の港湾を利用して海へ進出する構想があるほか、豆満江を利用し、吉林省琿春などから船舶が海へ進出する案もある。
中国は1860年、第2次アヘン戦争後の混乱の中で、北京条約によって清朝が沿海州をロシアへ割譲したことで、日本海への出口を失った。
現在、ロシアと北朝鮮は豆満江下流約15kmを国境として共有しており、中国東北部は海への出口を持たない地域となっている。
中国が日本海へアクセスできるようになれば、太平洋進出はもちろん、中国東北部と経済発展が進む南部沿岸地域を結ぶ、陸路より迅速な物流網を構築できる。
中国は沿海州の領土を回復できなくとも、日本海進出を通じて歴史的損失を回復しようとしている。
2024年5月にプーチン大統領が北京を訪問した際に発表された共同声明では、日本海進出について「建設的な対話を進める」としていたが、今回はさらに踏み込んだ内容となった。
豆満江利用には北朝鮮の協力も不可欠であることから、「北朝鮮との3者協議継続」と表現されたものとみられる。
ウクライナ戦争を契機に北朝鮮とロシアの関係が接近し、ロシアの中国依存も強まる中、中国が最も重視する日本海進出について、ロシアと北朝鮮が協議継続の姿勢を示した点として注目される。
共同声明では、「2004年10月14日付の中華人民共和国政府とロシア政府間における、黒瞎子島周辺水域(タラバロフ島およびボリショイ・ウスリースキー島地域)での中国およびロシア船舶の航行に関する議定書の精神に基づき、両国海域航行協定草案に関する交渉が加速された」とも明記された。これも広い意味では、中国の東方進出と無関係ではない。
また声明で、「双方は黒河・ブラゴヴェシチェンスク大橋のような国境横断型有料道路橋建設への協力を深化させる意向がある」と明らかにしたことも、極東地域での協力強化を打ち出したものと同時に、中国の経済的影響力拡大にもつながる見通しだ。
アムール川を渡る全長1,080mの黒河・ブラゴヴェシチェンスク大橋は、着工から2019年の完成まで3年を要した。その背景には、中国の影響力拡大を警戒する声もあったとされるが、現在は高速道路橋(大橋)まで建設される状況となっている。
中国が慎重姿勢崩さぬ「シベリアの力2」ガスパイプライン建設
中国の日本海進出に関する内容が共同声明に明記された一方、今回のプーチン大統領の訪中で最大の注目を集めた「大型プロジェクト」である「シベリアの力2」ガスパイプライン建設については、ロシア側関係者の発言や報道を通じて伝えられている。
クレムリンは、ロシアと中国がルートおよび建設方式について基本合意に達したものの、具体的な日程は未定で、一部の詳細事項もなお確定していないと明らかにした。
ロシア国営タス通信は、両首脳が「シベリアの力2」のルートや建設詳細を含む主要項目で合意したと報じた一方、価格条件については公表しなかった。
AFP通信は、ガスパイプライン交渉において中国が優位に立っていると伝えた。
中国は国内生産に加え、ロシア以外の中央アジア諸国とのパイプラインなど、多様な供給網を確保しており、ロシアへの過度な依存を望んでいないことを示している。
一方のロシアは、ウクライナ戦争以降、欧州市場を失い、新たな輸出先の確保が急務となっている。
「シベリアの力2」ガスパイプラインは、年間約500億㎥を供給できる。ロシアから西ヨーロッパへ向かう「ノルドストリーム2」パイプラインの設計容量である年間550億㎥とほぼ同規模だ。
タス通信によると、アレクサンドル・ノヴァク副首相は、両国が約20年にわたり交渉してきた同プロジェクトの契約締結が最終段階に入ったと述べたという。
これに先立ち、「シベリアの力1」区間にあたるガスパイプラインは、2019年12月9日に開通した。
シベリア・イルクーツク州のコビクタ・ガス田と、サハ共和国のチャヤンダ・ガス田で生産された天然ガスをブラゴヴェシチェンスクまで送るものだ。
「シベリアの力2」は、ブラゴヴェシチェンスクまで運ばれたガスを北京や上海などへ送る計画である。
中国は、ガスパイプライン建設後にロシア産ガスへの依存度が高まることを警戒し、具体的なルートや価格を巡って慎重に交渉を続けてきたとされる。
日本海進出が過去の歴史的損失の回復という意味合いを持つとすれば、ガスパイプライン建設は、エネルギー供給を軸とした両国間の戦略的利害や関係構築に直結する問題だ。
この2項目はいずれも、中ロ間における長期的かつ中核的な懸案であり、長年にわたり対立を繰り返してきた案件でもある。
特に、長期化するウクライナ戦争などを通じてロシアの立場が弱まる中、今回の首脳会談では両項目が主要議題として取り上げられながらも、依然として最終合意には至っていないことを示している。
















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