
米国とイランが合意した終戦に向けた了解覚書(MOU)に盛り込まれたイランへの優遇措置をめぐり、トランプ大統領の「譲歩外交」だとの批判が米国内外で広がっている。
イランが幅広い経済的利益を受ける内容である一方、米国は開戦当初に掲げたイランの核問題で具体的な成果を得られていないとの見方も出ている。
19日(日本時間)の正式署名を予定する米国とイランの終戦MOUには、イランが原油を販売する権利や、3,000億ドル(約49兆2,000億円)規模の復興基金の創設、凍結資産の返還などが盛り込まれているとブルームバーグが16日に報じた。
ブルームバーグが入手したMOUによると、米財務省は署名と同時に、イラン産原油や石油化学製品、関連派生商品の輸出に対する制裁免除措置を発動するという。
同日、米CNNは海運情報サービスのタンカートラッカーズが、イランが約2か月ぶりに原油輸出を再開したと発表したと伝えた。
同社によると、イラン国営企業所属のタンカー少なくとも2隻が、計380万バレルの原油を積載したまま米海軍の封鎖を通過したという。
ただ、事情に詳しい関係者がブルームバーグに語ったところによると、この措置はすでに積載済みの原油にのみ適用されるものであり、イランによる原油輸出の全面再開を認めるものではないという。
米国は今年3月、イラン戦争による供給不足の緩和を目的に、海上で滞留するイラン産・ロシア産原油に対し一時的な制裁免除措置を講じていた。
3,000億ドル規模の復興基金も、イランへの主要な経済的誘因の一つとされる。
米国および地域のパートナー諸国が少なくとも3,000億ドルを拠出し、イランの復興と経済発展を支援する計画がMOU草案に含まれているとブルームバーグは報じた。
MOUにはさらに、米国がイランの凍結資産の解除を約束する条項も含まれている。
ただ、具体的な時期は明記されておらず、曖昧な表現にとどまっているとブルームバーグは報じた。
イランへの優遇措置について、米政府当局者は、イランが約束を履行した場合にのみ利益を受けられる仕組みだと説明している。
その条件には、核兵器を保有しないこと、濃縮ウランの処理に同意すること、ホルムズ海峡での自由な航行を認めることなどが含まれるという。
イランの履行状況に応じて利益を与える仕組みとされるが、米国内では「譲歩し過ぎだ」との批判も出ている。
トランプ第1次政権で副大統領を務めたマイク・ペンス氏は同日、CNNに出演し、このMOUについて「宥和政策の臭いがする」と厳しく批判した。
共和党のニッキー・ヘイリー元国連大使も、イラン産原油への制裁免除についてX(旧ツイッター)に「これが事実であれば、勝者はイランということになる」と投稿した。
ホルムズ海峡の将来的な再封鎖を防ぐ歯止めが欠けているとの批判も出ている。
CNNは、米情報当局が今回のMOUについて、「イランは今後、望めばいつでもホルムズ海峡へのアクセスを事実上遮断できる」と評価していると伝えた。
トランプ大統領はかねて、オバマ政権が2015年にイランと締結した核合意について、「莫大な経済支援と引き換えに結ばれたものだ」と批判してきた。同氏は2018年にその合意から離脱した。
ブルームバーグは匿名の関係者の話として、現在も細部の調整が続いており、正式署名までに文言が変更される可能性があると報じた。













コメント1
磯爺
でたらめ関税の失敗と、今回の戦争で世界経済を混乱させたトランプ。ほぼ政治、経済素人のイエスマンしか周りにいない状況では何を始めても失敗するだろう。米国は独裁権威主義国家ではないがトランプはそれに憧れがあるようだ。そして彼のように自画自賛する奴にろくなのはいない。