蚊などの虫に刺された際に生じるかゆみは、かかずに5~10分ほど我慢すれば自然に治まる一方、かき始めると炎症が悪化し、1週間以上続く可能性があることが研究で分かった。皮膚をかく行為そのものが、皮膚内の免疫細胞を刺激し、かゆみや炎症を悪化させる悪循環を引き起こすためだ。
6月28日(現地時間)、中国メディアのテンセントによると、米ピッツバーグ大学皮膚科のダニエル・カプラン博士が率いる研究チームは、接触性皮膚炎を発症させたマウスを使って実験を行った。
研究チームは、一方のグループには自由に体をかかせ、もう一方のグループにはエリザベスカラーを装着し、体をかけないようにした。その結果、かゆみを感じても体をかけなかったマウスは、自由に体をかいたマウスに比べ、皮膚の腫れが軽く、炎症細胞の数も大幅に少なかった。

皮膚に存在する免疫細胞の一種である肥満細胞は、アレルギーの原因物質に反応するとヒスタミンを分泌し、かゆみを引き起こす。
一方、かゆい部分をかいて痛みが生じた場合にも、肥満細胞は活性化する。カプラン博士は、「皮膚をかいて痛みが生じると、痛みを感知する神経細胞が『サブスタンスP』と呼ばれる化学伝達物質を放出する」と説明した。さらに、「サブスタンスPは、アレルギー反応とは異なる経路で肥満細胞を刺激し、かゆみや発疹をさらに悪化させる」と説明した。
生物の進化の過程で、皮膚をかく行為には、皮膚に付着したノミやダニなどの寄生虫を払い落とし、黄色ブドウ球菌などによる細菌感染を抑える防御機能があったとされる。しかし、現代医学の観点では、過度にかくことで皮膚のバリア機能が損なわれ、二次感染につながる恐れもあるため、利点よりも弊害の方が大きい。カプラン博士は、「蚊に刺されても、かかずにいれば、ほとんどの場合、5~10分以内にかゆみは治まる」と指摘した。その一方で、「かき始めると、炎症が1週間以上続くこともある」と強調した。
医療関係者は、夏場の虫刺されや皮膚炎によるかゆみを和らげるため、ヒドロコルチゾン軟膏やカラミンローションの使用を勧めている。
製薬業界でも、皮膚をかく行為に関わる分子経路を遮断することで、慢性のアトピー性皮膚炎を治療する新薬の開発が進められている。
薬が手元になく、かゆみを我慢することが難しい場合は、メントールを配合したクリームを使用する方法もある。メントールが皮膚に清涼感を与え、かきたい衝動を抑えることで、かゆみとかきむしりの悪循環を和らげるとされるためだ。

















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