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出生市民権も関税も…「就任初日」の約束はどこへ、トランプ2期目の現実

望月博樹 アクセス  

引用:Daum
引用:Daum

米国のドナルド・トランプ大統領による第2期政権は、発足から1年半を経て、「選挙向けのスローガン」と政権運営の現実との隔たりを露呈している。大統領選期間中に「就任初日」「24時間以内に」「史上最大」を掲げ、断行すると訴えた主要公約は、裁判所、議会、同盟関係、国際政治という現実の壁に阻まれ、相次いで修正・後退を迫られるか、停滞している。30日、出生市民権の制限を巡る大統領令に連邦最高裁が歯止めをかけた判決は、その流れを象徴的に示した。

相次ぐ制約…「就任初日」公約が直面する現実

連邦最高裁は同日、出生市民権を制限しようとしたトランプ政権の大統領令が、合衆国憲法修正第14条に違反すると判断した。トランプ大統領が昨年の大統領選期間中から「就任初日に真っ先に取り組む」と公言していた象徴的な公約は、司法によって最終的に阻まれた。今回の判断は、移民政策の一つが頓挫したというだけにとどまらない。第2期政権の発足から1年半を振り返ると、選挙中に掲げた主要政策や外交構想が次々と現実の壁に直面している。

最も代表的な例は関税政策だ。トランプ大統領は大統領選期間中、「辞書の中で最も好きな言葉は関税(Tariff)だ」と語るほど、関税を経済政策の中核に据えた。しかし、今年初めに国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠として包括的な関税の導入を進めた措置は、連邦最高裁で違法と判断され、実施に歯止めがかかった。その後、政権は1974年通商法301条など別の法的根拠を用いて関税を維持しようとしているが、当初掲げた強硬な構想は既に大幅な修正を迫られている。米国メディアからは、「代替となる法的権限(alternative authorities)」を探る作業だとの見方も出ている。トランプ大統領自身も最近の公の発言では、昨年のように「関税」を前面に打ち出すことがほとんどなくなった。

対中政策も同様だ。トランプ大統領は中国への強硬対応を予告したが、実際には交渉と猶予が繰り返された。同盟国には関税圧力をかけ続ける一方、中国との関係では段階的な協議を続ける姿勢が目立つ。選挙当時の強硬なメッセージと実際の政策執行との隔たりが小さくないと指摘される背景となっている。

外交分野でも、期待された成果にはほど遠いとの見方が少なくない。トランプ大統領は就任前、ウクライナ戦争を「24時間以内に終わらせられる」と自信を示したが、戦争は現在も長期化している。ロシアとウクライナはともに停戦条件を巡る隔たりを埋められず、米国の仲介も事実上、膠着状態にある。

ガザ地区の情勢も同様だ。トランプ大統領は、戦闘終結後の秩序まで自ら設計するとして、国際機関に近い性格を持つ「平和委員会(Board of Peace)」を発足させた。米国と同盟国は数十億ドル規模の復興資金を約束し、ガザ地区の統治を担うパレスチナ暫定行政機構「ガザ行政国家委員会(NCAG)」の構成まで発表するなど、大規模な青写真を示した。だが、平和委員会とガザ行政国家委員会はいずれも、実質的に活動が止まっている。

最近、最大の外交成果として掲げてきたイラン問題も、成功と断言することは難しい。トランプ大統領は軍事作戦後、核交渉と中東の安定という「二兎」を追う考えを示したが、核査察の方式、制裁解除、ホルムズ海峡の運用を巡る協議はなお続いている。軍事的な衝突はいったん収まったものの、外交面では解決すべき課題が山積する。

国内政策も似た状況にある。テスラのイーロン・マスクCEOを前面に据え、連邦政府の組織再編を進めてきた政府効率化省(DOGE)の取り組みも、大規模な訴訟や職員の復職が相次ぎ、発足当初の改革の勢いをかなり失った。

もちろん、トランプ政権による不法移民の取り締まりは、米国のジョー・バイデン前大統領による政権時よりも大幅に強化されている。連邦最高裁は、複数の移民政策や大統領権限の拡大を巡る問題で、政権側を支持する判断を示した例も少なくない。しかし、この日の出生市民権を巡る判決は、大統領の政治的スローガンだけでは、憲法や法律、司法、国際秩序という現実の制約を乗り越えることが難しいと、改めて示したとの評価が出ている。

国政アジェンダは後景に…ワシントンの美観整備に注がれる視線

最近のトランプ大統領による国政に関する発信は、政権発足当初に関税、中国、ウクライナ、ガザ地区といった大きな懸案を前面に掲げていた時期に比べ、ワシントンD.C.の地域問題や施設管理など、比較的小さな事案へ焦点を移す傾向がみられる。

トランプ大統領は最近、自身のSNSで、ワシントンD.C.市内の美観整備事業を長文の投稿で相次いで紹介している。リンカーン記念堂前の「リフレクティング・プール(反射池)」について、底部の補修、排水工事、コケの除去、傷んだ芝の張り替え計画を自ら説明している。さらに、記念物を損壊した者には最長10年の懲役を科すと警告した。また、ナショナル・モールで開かれた「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の盛況を政権の実績として取り上げ、「バラク・オバマ元大統領やジョー・バイデン前大統領には成し遂げられなかったことだ」と主張した。

ホワイトハウス近くの広場で進む歩道ブロックの交換状況を一つ一つ取り上げたほか、ワシントンD.C.市内の公共ゴルフ場についても、故障したスプリンクラー、枯れた芝、危険な枝などの老朽化した設備を自ら点検した。選挙で掲げた大規模な国政課題が現実の制約の中で進展を欠くなか、11月の中間選挙を約4か月後に控え、トランプ大統領の発信内容も変化しているとの分析が出ている。

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