
米連邦最高裁で出生地主義の制限が認められなかったことを受け、トランプ米政権は新たに外国人妊婦の入国制限を検討している。米国内で出産する可能性がある外国人女性の入国を水際で制限する構想で、プライバシー侵害や差別につながるとの批判が出る可能性がある。
1日(現地時間)、米ニュースサイトのアクシオスによると、ドナルド・トランプ米大統領の側近や支持者らは、最高裁の判断を受け、いわゆる「出産ツーリズム」を防ぐ新たな対策の検討を急いでいる。
米連邦最高裁は前日、米国内で生まれた不法滞在者や一時滞在者の子どもについても、憲法修正第14条に基づき、出生と同時に米国市民権を取得するとの判断を示した。トランプ大統領は昨年1月に署名した行政命令で、親の少なくとも一方が米国市民または永住権保持者でなければ子どもに市民権を付与しない方針を打ち出したが、最高裁はこれを認めなかった。

出生地主義の制限認められず、入国段階での規制を検討
トランプ政権の強硬な移民政策を主導してきた米大統領次席補佐官であるスティーブン・ミラー氏は、FOXニュースのインタビューで、「一時的な滞在であっても、誰を米国に入国させるのかは極めて慎重に判断しなければならない」と述べた。
その上で、外国人が米国で出産した場合、生まれた子どもが生涯にわたって米国市民権を取得することになる点を問題視した。
また、トランプ大統領を支持する保守系メディア「ザ・フェデラリスト」の共同創設者、ショーン・デイビス氏も、外国人妊婦の入国を制限すべきだと主張した。
一方、ホワイトハウスは現時点で、外国人妊婦の入国禁止を正式な政策として打ち出してはいない。トランプ大統領も、この方策を公に承認したわけではない。ただ、ホワイトハウス報道官は、トランプ大統領が出生地主義の見直しを目指す立場を維持しており、議会に対し関連法案の早期成立を求めていると説明した。
トランプ大統領は最高裁の判断を受け、議会に対し、行政命令と同等の効力を持つ法案を早期に整備するよう求めた。ただ、最高裁が出生地主義を保障する憲法修正第14条の適用を改めて認めたことから、法律の制定だけで出生地主義を制限するのは容易ではないとの見方が出ている。

出産ツーリズムの取り締まり強化 妊娠情報の収集に懸念も
米司法省も、出産ツーリズムに関する取り締まりを強化している。外国人が子どもの米国市民権取得を目的に入国目的を偽ったり、ビザや医療保険に関する詐欺を行ったりする事件について、優先的に捜査するよう連邦検察官に指示した。
米国では、外国人が米国内で出産すること自体は違法ではない。ただ、観光ビザの取得時に渡航目的を偽ったり、医療費の支払い能力について虚偽の申告をしたりした場合は、処罰の対象となる可能性がある。司法省はこれまでも、中国やトルコ出身の妊婦の米国への渡航を仲介し、ビザ詐欺や医療費の不正請求に関与した業者を起訴している。
外国人妊婦の入国を一律に制限する措置が導入された場合、プライバシー侵害や女性差別を巡る議論は避けられないとの見方が出ている。全米女性法律センター(NWLC)で連邦政府の中絶政策を担当する上級局長のケイティ・オコナー氏は、「誰が妊娠しているのか、また妊娠何カ月なのかという情報が連邦政府や州政府に渡ることは極めて危険だ」と指摘した。
米政府は、外国人訪問者が米国内で出産した子どもの数を公的には集計していない。ただ、民間の推計では年間約2万~2万6,000人とされる。これは、昨年の米国全体の出生数約360万人と比べても、1%に満たない水準だ。













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