
数十年間、世界の戦場を圧倒してきた米国の軍事覇権が弱まっているとの指摘が出た。英国国籍の軍事専門家で、米ブルームバーグのコラムニストであるマックス・ヘイスティングス氏は5日(現地時間)、「今日の戦争はドローン(無人機)、人工知能(AI)、低価格の武器システムの発展により急速に変化しており、これにより米国が長年維持してきた戦場の支配力が深刻な挑戦に直面している」と主張した。ヘイスティングス氏は「米国は依然として世界最強の軍事力を保持しているが、安価なドローンとミサイルが数億ドルの軍事資産を無力化する事例が増え、従来の軍事的優位が揺らいでいる」とし、ウクライナ戦争を例に挙げた。

ウクライナは年間数百万台のドローンを生産・運用し、ロシア軍に多大な被害を与えている。特に数十万ドルの自爆型の無人水上艇で数億ドル規模のロシア軍艦を撃沈するなど、低コストの武器が高価な伝統的戦力を圧倒する事例を示している。さらに、2月28日に米国とイスラエルのイラン侵攻で始まったイラン戦争でも、膨大な量の地対空誘導弾ペトリオットとTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)が使用され、米国の武器庫が大幅に減少した。ヘイスティングス氏は「今後中国が台湾を攻撃するなど新たな紛争が発生すれば、米国は十分な迎撃資産を確保できないまま対応しなければならないかもしれない」と指摘した。
コスト対効果の不均衡の例は容易に挙げられる。ヘイスティングス氏は「米海軍は130億ドル(約2兆1,000億円)に達する大型空母と部隊をホルムズ海峡でイランの射程内に置くことに極めて慎重な態度を示した」とし、「米軍はイランが放った7,000〜3万5,000ドル(約113万3,000円〜566万4,800円)相当のシャヘド・ドローンを防ぐために、一発当たり400万ドル(約6億4,700万円)に達するパトリオット・ミサイルを使用しなければならない状況だ」と説明した。
ヘイスティングス氏は、AIがこのすべての問題の核心にあると指摘した。彼は「AI技術があまりにも急速に進歩しているため、どれほど機動的な国防調達部門であっても、何を調達すべきかを判断するのが難しい状況だ」と述べた。AI技術が非常に速く進展することで、米国が第二次世界大戦以降維持してきた技術的優位が弱まる可能性があり、DeepSeekなど中国企業が米国のAI技術を急速に追いつき、新たな安全保障上の脅威になっているという。

実際、中国のAI企業は米国の10分の1もかからないコストで軍事処理が可能な独自のAIモデルを量産している。ヘイスティングス氏は「今日の状況は1906年の英国とドイツの海軍力競争を思い起こさせる」とし、「英海軍が革新的な巨大戦艦『HMS・ドレッドノート』を就役させたことで、それまでの軍艦は一気に時代遅れになった」と指摘した。
実際、当時は英国によるドレッドノートの就役によって、既存の戦艦が一斉に旧式化した。その結果、英国はドイツとの間で新型戦艦の建造競争を事実上ゼロからやり直し、軍拡競争を再び繰り広げることになった。革新的な技術が、かえって既存の覇権国が築いてきた技術的優位を無力化する「ドレッドノート革命」に、米国も陥った格好だ。

また、ヘイスティングス氏は「今後、宇宙と地上のAI軍備競争で敗北する国に慈悲はない」と強調した。彼は「2022年にバルト海を横断する200億ドル(約3兆2,400億円)規模のロシアのガス輸送用パイプライン『ノルドストリーム』がウクライナの低価格技術で破壊された事件は、インフラの本質的な脆弱性を如実に示している」とし、「ロシアや中国によるサイバー攻撃に加え、ロシアが主導するテロにもすでに直面している。我々は永遠と続く可能性のある低強度の敵対行為に備えなければならない」と強調した。
続けて「それでも慰めになるのは、広く予測されているのとは異なり、我々が81年間の核時代を生き延びたという事実だ」とし、「もし核兵器がAIと結びつくのを防げれば、人類は今後80年も同様に生き延びる可能性が高い。しかし、もし我々がそれを防げなければ、西洋文明の終焉はさらに近づく」と警告した。













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