国会議員の3期制限や憲法裁判官の定年制を導入
オルバーン前首相支持勢力の排除にも着手

ハンガリー議会は13日(現地時間)、 ハンガリーのシュヨク・タマーシュ大統領を解任するための憲法改正案を可決したと、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。
NYTはこの措置について、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル前首相が築いた政治体制を解体するための、極めて異例かつ物議を醸す動きだと指摘した。
今回の大統領解任については、ハンガリー国外の一部の憲法学者や人権団体が懸念を示した。一方、オルバーン氏の支持者は、今回の措置を独裁体制への道を開く前兆だと批判している。
これに対し、新政権は、任期が2029年まで残るシュヨク大統領の解任は、16年にわたるオルバーン政権下の強権政治に、終止符を打つために必要な措置だったと説明した。
4月の総選挙で勝利したハンガリーのペーテル・マジャール首相は、大統領解任に向けた憲法改正について、「オルバーン氏の政治・経済マフィアを一掃するための重要な措置だ」と強調した。
同氏は、シュヨク大統領に自発的な辞任を繰り返し求めるとともに、自身の政党が総選挙で圧勝したことで、オルバーン体制の「操り人形」を排除する権限を国民から与えられたと主張してきた。
シュヨク大統領は、オルバーン氏が所属していた政党が多数派を占めていた旧議会で大統領に選出された。ハンガリーの大統領職に実権はほとんどないものの、象徴的な意味合いは大きい。
一方、大統領の解任を有効にするには、憲法改正法案にシュヨク大統領本人が署名する必要がある。
ただ、シュヨク大統領が署名に応じる可能性は低いとみられており、専門家の間ではハンガリーが憲政上の危機に直面する可能性があるとの見方が出ている。
なお、13日に可決された憲法改正案には、国会議員の在職期間を3期までに制限する規定が盛り込まれた。
これにより、オルバーン氏が所属するフィデス・ハンガリー市民同盟は大きな打撃を受け、同氏の首相復帰の道は事実上閉ざされることになる。
また、改正案では、2011年に廃止された憲法裁判所判事の定年を70歳とする制度も復活させた。現在の憲法裁判所は前政権の支持者が多数を占めており、裁判所長は今年71歳を迎える。
マジャール首相率いる与党は4月の総選挙で圧倒的多数の議席を獲得しており、その結果、憲法改正案を円滑に可決することができた。

















コメント0