「フランス人がいなくても勝てる」元首相の発言が炎上…W杯を揺らす人種問題
極右政治家が憎悪を扇動スペイン元首相らの人種差別発言が物議移民の前向きな貢献を消し去る狙い

1998年のサッカー・ワールドカップ(W杯)フランス大会で、アルジェリア移民の家庭に生まれたジネディーヌ・ジダンがフランスを初優勝に導いた時、世界はサッカーが人種や国籍の壁を越えて人々を一つにする力を目の当たりにした。移民問題を巡って深刻な混乱に直面していたフランス人は、人種融和を意味する「ブラック・ブラン・ブール(黒人・白人・アラブ人)」という新語まで生み出し、ジダンを国民的英雄としてたたえた。
しかし、2026年FIFAワールドカップ北中米大会では、一部の政治家がサッカーを政治利用し、人種差別や外国人嫌悪をあおっているとの批判が出ている。嫌悪をあおって支持を集めようとする政治的な思惑が背景にあるとの分析だ。
12日(現地時間)、フランス紙ル・フィガロなどによると、スペインのマリアノ・ラホイ元首相は11日、現地のオンラインメディアに寄稿したコラムで、フランス代表について「フランス人がいなくても、あらゆる成果を上げている」と記した。
この発言をめぐって、フランス代表に黒人や移民出身の選手が多いことを念頭に置いたものと受け止められ、批判が広がった。ペドロ・サンチェス・スペイン首相はXで「今なお性別や出生地によって所属感を測ろうとする人々がいる」と皮肉り、「現代国家のアイデンティティーは血統ではなく、社会への貢献と連帯によって成り立っている」と指摘した。
北中米ワールドカップで政治家から問題発言が出たのは、今回が初めてではない。
これに先立ち、フランスとの決勝トーナメント1回戦で敗れたパラグアイのセレステ・アマリージャ上院議員は、フランス代表のキリアン・エムバペについて「カメルーン出身者が必死にフランス人のふりをしている」「チンパンジー」などと暴言を吐き、激しい批判を浴びた。オランダの極右政治家ヘルト・ウィルダースはモロッコ代表を標的に、ソーシャルメディアへ侮辱的な言葉を含む反イスラムのメッセージを投稿し、物議を醸した。
このようにスポーツを利用して嫌悪を拡散させる現象について、一部では特定の個人による失言や一過性の騒動として片付けるべきではないとの分析が出ている。反移民を掲げる保守・極右政治家が、極端な民族主義を刺激する発言を通じて支持層を結集しようとしているとの見方だ。
スポーツ外交の専門家であるニューヨーク大学のリンジー・サラ・クラスノフ教授は「フランス代表は、競技場の内外で国を立派に代表してきた。こうした物語は反移民論を揺るがすため、極右・保守勢力にとって都合が悪かったはずだ」と述べた。
その上で、今回の暴言は、移民の前向きな貢献を消し去ろうとする欧州保守層の組織的な反発だと分析した。アルジャジーラも「大衆の関心を集めようとするゆがんだ政治文化が根付いているためだ」と指摘した。















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