「トランプの戦争に一銭も出さない」民主党が“国防予算阻止へ”、米軍は活動縮小の崖っぷち
米、イラン戦費は6兆円超 国防予算が逼迫、追加予算巡り与野党対立

イランと5カ月近く戦争を続ける米国の国防予算が、底をつきつつある。ドナルド・トランプ米大統領の政権は、何としても議会を説得して追加予算を確保する構えだが、野党・民主党は反対の意思を明確にしていると、米紙ワシントン・ポスト(WP)は21日、関係者の話として報じた。
匿名の議会補佐官2人は、2026会計年度の米国防予算のうち、海軍と空軍の作戦関連予算の一部が今月末にも枯渇するとの見通しを示した。米軍はイランへの空爆開始後、中東地域に海軍・空軍の戦力を大量投入している。
WPの取材に応じた元・現職の当局者4人は、米軍の戦闘態勢を維持するための訓練が縮小・中止されていると明らかにした。装備や施設、整備向けの予算も、イラン戦争で生じた不足分を埋めるために本来の用途から流用されているという。WPは独自の調査を基に、米国防総省が最近、訓練・武器購入用の国防費43億ドル(約7,042億4,800万円)を他の用途へ振り替える承認を議会に求めたが、まだ回答を得ていないと伝えた。
匿名のトランプ政権関係者は、ホワイトハウスの予算部門が直接調整に乗り出し、国防総省の運用・維持費の項目にほかの予算を回そうとしていると認めた。この関係者は具体的な言及を避けつつ、こうした予算の流用で、ほかの政府事業への支障は避けられないと説明した。
米政府の2026会計年度予算は9月30日までが割り当てられており、そのうち国防費は約1兆ドル(約163兆7,900億円)に上る。ピート・ヘグセス米国防長官は21日、上院歳出委員会の公聴会に出席し、2月28日のイラン戦争開戦以降、戦争遂行に「375億ドル(約6兆1,400億円)が投入された」と明らかにした。そのうえで「この数字には、会計年度末(9月30日)までに見込まれる追加の運用・維持費や兵士の給与、その他の費用も一部含まれている」と説明した。

トランプ政権は先月24日、876億ドル(約14兆3,500億円)規模の補正予算案を議会に提出した。ホワイトハウスは提出に際し、イラン戦争の関連費用や米農家への支援のために追加予算が直ちに必要だと訴えた。要求額のうち670億ドル(約10兆9,700億円)は国防費だった。
多くの元・現職の米当局者はWPに対し、議会が直ちに予算問題を解決しなければ、米軍はさらに多くの活動や計画を断念しなければならなくなるとの認識を示していた。下院は22日に2027会計年度(2026年10月1日〜2027年9月30日)の国防費を採決し、23日から1カ月間休会する。
WPは、下院議員が今週、730億ドル(約11兆9,600億円)の追加国防支出を承認する議案を採決すると見込んだ。下院の共和党議員は一部の予算を迅速に処理するため、財政調整(リコンシリエーション)手続きを活用するとみられる。
一方、米政治専門メディアのポリティコは20日、民主党が来年の国防予算案の成立を阻止し、トランプ政権による戦争拡大に歯止めをかける計画だと報じた。同メディアは、共和党が財政調整手続きを使っても党内で十分な支持を得られるか不透明だと分析し、民主党の賛成なしに国防予算の可決は難しいとの見方を示した。民主党の下院選挙対策委員長を務めるピート・アギラー下院議員(カリフォルニア州選出)は20日、「われわれは、ドナルド・トランプ大統領の無謀な戦争の結果、数百万人の米国人のガソリン価格が上がっていることを指摘していく」と述べた。同時に「トランプの戦争を承認すると受け取られかねない、いかなる採決にも加わらない」と強調した。
















コメント0