
次世代バッテリーと自社技術力を前面に打ち出し、2030年までに規模で世界最大の自動車メーカーになるという目標が示された。BYDの王伝福会長は9日に開催された2025年定期株主総会で、今後5年以内に規模で世界首位に立つという中長期ビジョンを公開した。
その出発点となるのが、すでに達成した電気自動車世界首位の座だ。BYDは2025年に純電気自動車(BEV)225万台を販売し、テスラを約60万台上回り、BEV世界首位のメーカーとなった。完成車全体でも約460万台を販売し、フォードを初めて上回り、世界販売6位に浮上した。しかし、頂点は依然として遠い。同年の首位トヨタは1,130万台を販売しており、フォルクスワーゲン(約900万台)、ヒョンデグループ(720万台)と続く。460万台と首位との開きを、王氏は5年以内に縮めると公言した。
王氏は国際市場での中国自動車メーカーの台頭を強調し、BYDが価格競争力・先進技術・優れたユーザー体験を武器に現地の競合他社を上回りつつあると述べた。海外販売への自信も示した。BYDは2025年に海外へ104万9,000台を輸出し、前年比145%増で初めて100万台を突破した。今年の海外販売目標は160万台に設定しており、王氏は現在の勢いが続けば目標を超えると見込む。王氏は長期戦略と現地市場への浸透が鍵だと指摘し、グローバル市場での共同成長を目指す方針を示した。
ただ、成長の重心は依然として内需にある。2025年の販売台数の4分の3以上を中国市場が占め、中国国内だけで約310万台を販売し、フォルクスワーゲンを抜いて中国市場首位に立った。海外比率をいかに高めるかが、2030年目標の成否を左右する。
自動車の知能化戦略について、王氏は車両を「体現された知能(embodied intelligence)」と位置づけた。現時点で世界の道路を走るBYDの知能運転対応車両は315万台に上り、1日2億kmに達する走行データが蓄積されている。このデータが次世代自動運転技術の高度化に向けた重要な基盤になると説明した。王氏は、レベル3・レベル4の自動運転技術が市場の想定よりも早く商用化段階に達するとの見方を示した。BYDは半導体チップ、アルゴリズム、データエコシステムまで一貫した体制を整えており、欧州、南米、東南アジア、中東に自動運転開発・研究拠点を設置・運営していると王氏は続けた。
収益性とブランド価値の向上策として、中核技術の深化を挙げた。王氏はBYDがオーストラリアや欧州、南米などの多くの海外市場でプレミアムブランドとして認められていると語った。一方で、国内外のブランド認識には温度差があるとの指摘もある。中国では配車サービス向けの低価格帯モデルが多く普及しており、ドライバーが車内で仮眠を取ることもあるとして、ブランドイメージへの影響を指摘する海外メディアの声もある。
技術面の工程表も具体化された。BYDは翌年(2026年)、ブランド価値と1台当たりの収益性を高める新技術を発表する計画であり、今後3〜5年をかけて第2世代ブレードバッテリー、急速充電技術の革新、自社独自技術の導入を進める。国内市場とグローバル市場という二つの成長軸を両輪に、世界首位の座を目指す構想だ。BYDは昨年12月に累計1,500万台目の新エネルギー車(NEV)を生産し、中国企業として初めてこの記録に達した。現在、新エネルギー車を119か国に販売している。













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