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「塗装ムラや段差の恐れ」トヨタ・日産が異例対応、リコール級注意事項を事前告知

山田雅彦 アクセス  

引用:トヨタ自動車
引用:トヨタ自動車

トヨタ自動車と日産自動車が自国の日本の消費者に対し、「塗装の厚みが薄くなる可能性があり、パネル間に段差やずれが生じる可能性があります」という内容を含む公式の品質告知事項を発表した。数十年にわたり「品質の象徴」として世界市場で名声を築いてきた日本のブランドが、自社車両の品質上の制約を自ら明示する異例の対応となった。対象車両はいずれも米国の工場で生産され、日本に導入されるモデルだ。

日米貿易交渉と米国製車両の市場参入

この背景には日米間の貿易交渉がある。米国が日本市場への米国製自動車の輸出拡大を求めたことで、トヨタ自動車と日産自動車は本来は米国・北米市場向けに設計・生産されたモデルを国内市場へ投入することとなった。対象車両はトヨタ・タンドラ(テキサス工場)、トヨタ・ハイランダー(インディアナ州工場)、日産・ムラーノ(テネシー州スマーナ工場)の3車種だ。これらは2026年2月に国土交通省が創設した米国製乗用車の認定制度を活用して導入されている。

引用:トヨタ自動車
引用:トヨタ自動車

塗装仕上げからパネルの精度まで、告知文書に明記された品質上の制約

トヨタ自動車が日本の消費者に向けて作成した告知文書には、タンドラとハイランダーの塗装仕上げが「海外市場基準」によるものであることが繰り返し明記されている。具体的には「塗装の厚みの不均一」「色のばらつき」「塗装面の研磨跡」「塗装面の凹凸」「塗装の浮き」などが生じる可能性があることを告知している。ただし、機能および性能には影響を与えないとしている。

日産自動車のムラーノの告知文書はより直接的な表現を取っている。「日本の品質基準とは異なる海外市場の仕上げ基準を適用した」と明記し、「塗装面の微細な異物付着」「シーラント跡」「パネルおよび部品の段差または表面のずれ」が生じる可能性を具体的に列挙した。日産自動車も性能への影響はないとしている。

引用:トヨタ自動車
引用:トヨタ自動車

ナビ・ラジオ・日本語メニューも使用不可

品質上の制約は外観にとどまらない。トヨタ・タンドラの場合、国内でロードサインアシスト機能が正常に作動しない可能性があり、インフォテインメント画面は英語専用で日本語表示に対応していない。日産・ムラーノは日本語メニューがなく、AM・FMラジオ機能が作動せず、NissanConnectサービスも利用できない。両ブランドともこれらの制約事項を購入契約前に消費者へ事前告知している。

引用:日産自動車
引用:日産自動車

品質上の注意事項を日本市場向けに事前告知

両ブランドが自社車両について品質告知事項を設けたこと自体よりも、その内容が注目されている。告知文書には塗装の仕上がりや部品の精度について海外市場基準が適用される旨が明記されており、両ブランドが米国向け仕様と日本向け仕様の品質水準に差があることを自ら認めた形となった。日本市場にはすでに品質上の注意事項なしで購入できる車両が豊富に揃っているだけに、こうした米国製モデルが実質的な販売成果を上げるのは容易ではないとの見方もある。

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