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トランプ「イラン、降伏せよ」最後通牒で外交解決を放棄…「我々がイラン上空を完全制御」と米軍直接介入を示唆

佐藤美穂 アクセス  

引用:Depositphotos

ドナルド・トランプ米大統領がイランに「無条件降伏」を迫る背景には、イランの核施設への直接攻撃を軸とした対イラン戦略が固まりつつあるとの見方が出ている。これまでトランプ政権内では、イスラエルによるイラン直接攻撃が中東地域の新たな戦争に発展することへの懸念が強かった。しかし、停滞する交渉過程が結局のところ北朝鮮の例のようにイランに核開発の時間を与えるだけではないかとの判断も影響したとの分析が出ている。米国務省は20日までに在イスラエル大使館を閉鎖すると発表し、米国民に対してイスラエル、イラク、イランへの渡航を再度自粛するよう呼びかけた。

米CNNは17日(現地時間)、この問題に精通した2人の当局者の話として、「トランプ大統領はイランの核施設攻撃に米軍資産を使用することにますます前向きになっており、外交的解決には消極的になっている」と報じた。米メディアのアクシオスは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とトランプ大統領の電話会談を報じ、イスラエル国防当局は米国が数日以内にイランの地下ウラン濃縮施設を爆撃する軍事作戦に介入する可能性が高いと見ていると伝えた。

約1時間20分にわたり国家安全保障会議(NSC)を主宰したトランプ大統領は、会議前のSNS投稿で「我々は今やイラン上空を完全かつ全面的に制御している」とも述べた。イランの制空権掌握の主体を「我々(We)」と表現したことから、米国がイスラエルの対イラン制空権掌握を支援したことを示唆しているとの見方が出ている。トランプ大統領がイラン最高指導者の排除作戦まで検討する可能性があると明かしたことも、米国の直接介入の可能性と関連づけられている。既にイスラエルがイランの制空権を掌握したことで、米軍攻撃時の被害リスクが軽減されたことも影響していると見られる。また、「抵抗の軸(反米・反イスラエル武装組織)」であるハマスとヒズボラの崩壊も、トランプ大統領の判断の背景にあるとされる。多国間および二国間交渉で時間を稼ぎ、結果的に事実上の「核開発」に成功した北朝鮮の例が影響した可能性もある。北朝鮮は米国との交渉で表向きは「キム・イルソン主席の遺訓が朝鮮半島の非核化だった」と主張しつつ、実際には核開発を放棄しなかった。イランも核兵器開発禁止が最高指導者ハメネイ師の「ファトワー(教令)」だと主張するが、国際社会の批判にもかかわらずウラン高濃縮活動を続けている。

イランの核武装阻止を目指す米国の直接介入の成否により、中東地域の情勢はもとより、米国の対外政策そのものが大きく左右されると予想される。イランが自ら核を放棄するか、イランの核施設破壊に成功すれば、トランプ大統領は中東安全保障に新たな転換点をもたらすことができるだろう。「ガザ戦争」も自然収束させた後、トランプ大統領が描くイスラエルとサウジアラビアの国交正常化などにつながる可能性がある。

しかし、イランの激しい抵抗に直面して衝突が長期化すれば、中東地域の平和が遠のくだけでなく、欧州と中東から中国へと安全保障政策の重心を移そうとしていた米国の国家安全保障戦略も大きく揺らぐ恐れがある。

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