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「1ドル=90万リアル」!?インフレ率38.7%のイラン、“ゼロ4つ削除”の通貨改革!苦肉の決断も効果は未知数

望月博樹 アクセス  

引用:EPA通信
出典:EPA通信

長年にわたり深刻なインフレに苦しんできたイランが、自国の通貨リアルから「0」を4つ削除する通貨改革を実施する。西側の制裁で急落した通貨価値を防衛し、社会的混乱を軽減するための措置とみられる。

4日(現地時間)、フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、イラン議会の経済委員会は3日、リアルの通貨単位変更案を承認したという。新通貨も従来通りリアルの名称を維持するが、新1リアルは現行の1万リアルに相当する。リアルの補助単位として「キラン(Qiran)」が導入され、「100キラン=新1リアル」の基準が適用される。

イランが通貨単位を調整するのは、長年蓄積されたインフレと通貨価値の下落に対応するためだ。FTは「イランの通貨は国際制裁により大幅に減価した」とし、「制裁はイランを世界金融システムから孤立させ、自国経済を窒息させた」と分析している。

実際、2018年に米国が核合意から離脱し対イラン制裁を復活させて以降、リアルの価値は90%以上下落した。現在、市中では米1ドル(約147円)が約90万リアルで取引されているという。金融情報会社「トレーディング・エコノミクス」によると、今年5月のイランのインフレ率は38.7%に達しているという。

イランでの通貨改革論議は1990年代から繰り返し浮上してきたが、実施には至らなかった。今回の改革案は2019年にイラン政府が正式に提出した内容に基づいており、イラン最高憲法機関である「憲法擁護評議会」の承認が必要となる。

専門家の間では評価が分かれている。賛成派は単位調整により会計や財務計算が簡素化され、紙幣印刷コストの削減などが期待できるとしている。特に、抜本的な構造改革と並行して行われれば、通貨の安定性向上に大きく寄与するという見方だ。

一方で、悲観的な見方も根強い。単なる通貨単位の変更だけではイランの経済問題は解決できず、効果的なインフレ抑制政策と財政金融改革が伴わなければ、実効性に乏しいという指摘だ。イランの経済学者、カムラン・ナデリ氏(Kamran Naderi)) は「ゼロを削除しただけでは、それ自体が通貨政策になり、インフレを抑制する手段にはならない」とし、「単なる会計上の形式的調整に過ぎない」と批判している。

特に、西側の経済制裁が続く限り、イランの経済回復の可能性は現実的に限られるという見方が大勢を占めている。イランのアッバース・アラーグチー外相は「米国が戦争中に生じた損害賠償に同意し、交渉期間中にイランを再び攻撃しないと確約すれば、交渉再開に応じる用意がある」と述べている。

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