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「ウクライナ領土を受け取れ」…米特使がロシア高官と極秘通話、“ロシア有利案”誕生の舞台裏が判明!

梶原圭介 アクセス  

ブルームバーグ トランプ大統領特使ウィトコフ氏、先月プーチン大統領補佐官と通話

 「中東和平を称賛し、ウクライナ領土を受け取れ」助言の実態浮上

トランプ大統領は「標準的交渉だ」と擁護も「あり得ない」と批判拡大

出典:ロイター通信
出典:ロイター通信

ドナルド・トランプ大統領の特使であるスティーブ・ウィトコフ氏が先月、ロシア高官との電話協議の中で、トランプ大統領を持ち上げながらウクライナ領土問題に関する助言を行っていたとされ、米国内外で波紋が広がっている。

ブルームバーグ通信は25日(現地時間)、ウィトコフ特使とクレムリンの外交政策補佐官ユーリー・ウシャコフ氏が先月14日に行った通話内容を入手し、その詳細を報じた。

通話が行われたのは、トランプ大統領がガザ地区停戦合意を仲介した後、エジプトを訪問して「ガザ平和宣言」に署名した直後であり、ボロディミル・ゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪問する3日前に当たる。

この期間中にトランプ大統領は、ウラジーミル・プーチン大統領と「サプライズ」電話会談を行い、首脳会談の開催でも合意した。そのうえでゼレンスキー大統領に対し、ロシアに大きく有利な終戦案を提示したことで、国際社会に衝撃が走った。その後、マルコ・ルビオ国務長官とセルゲイ・ラブロフ外相の電話協議でも、停戦案に対する両国の溝は埋まらず、首脳会談は見送られたという。

報道によると、ウィトコフ特使は約5分間の通話の中で、ロシア側が終戦交渉で求めている内容をトランプ大統領に「効果的に伝える方法」を助言していたという。特使は「ゼレンスキー大統領が近くホワイトハウスを訪れるが、その前にあなたのボス(プーチン大統領)と通話できる可能性がある」と述べた。

これに対し、ウシャコフ氏が「訪米前にプーチン大統領がトランプ大統領と話すのは有効だと思うか」と問いかけると、ウィトコフ氏は「有益だ」と応じた。

さらにウィトコフ氏は、プーチン大統領がトランプ大統領に対しガザ停戦合意を祝福し、「あなたを平和主義者として尊敬している」と伝えることを提案し、「それができれば、とても良い通話になる」と助言したという。

加えて、ドネツクをロシアが実効支配した上で、他地域との「領土交換」によって和平交渉を進める案にも言及し、「和平を成立させるには、ドネツク(ドンバスの一部)と、おそらく他の地域との交換が必要だ」と話したとされる。

こうした構想は、今月に米政府が提示した28項目からなる終戦案の初期草案とも内容が重なる。草案では、クリミア、ルハンシク、ドネツク、ヘルソン、ザポリージャの5地域を事実上ロシア領として認める一方、ロシアはそれ以外の占領地を放棄するとされていた。

この内容はロシアに極めて有利で、国際社会では「事実上のウクライナ降伏だ」との批判も出ていた。

その後、米国はウクライナ側と協議を行い、草案を19項目に縮小し、ウクライナ側の立場を一部反映させた修正版をもとに、ロシア・ウクライナ双方との調整を続けている。

注目すべきことに、ウィトコフ氏の助言どおり、プーチン大統領はゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪問する前日の16日にトランプ大統領と電話会談を行い、ガザ停戦合意を祝う言葉から会話を始めたという。

その後にトランプ大統領がゼレンスキー大統領に提示した終戦案も、ロシア側に大幅に有利な内容であり、ウクライナはこれを受け入れなかった。

ブルームバーグ通信はこの一連の通話を、「ウクライナに受け入れを迫った28項目和平案がどこから生まれたのかを示す重要な手がかりだ」と分析している。

ウィトコフ氏は不動産業出身で、外交官や公職の経験はないものの、現在はトランプ大統領の側近として、娘婿のジャレッド・クシュナー氏とともにロシア・ウクライナ終戦交渉を主導している。

こうした「非外交官」による水面下交渉には懸念の声も強く、今回の通話内容流出はその不安をさらに増幅させた。

共和党内からも批判が出ている。ペンシルベニア州選出のブライアン・フィッツパトリック下院議員はX(旧ツイッター)に、「こうした非公式で不透明な動きや秘密会合が止められるべき理由の一つだ」と指摘し、「ルビオ国務長官が公正かつ客観的に職務を遂行できる環境を与えるべきだ」と訴えた。

一方、トランプ大統領は今回の件について「ごく一般的な交渉プロセスだ」と述べ、ウィトコフ特使を擁護した。

記者団の質問に対し、「交渉担当者とはそういう仕事をするものだ」と語り、そのアプローチは「標準的な交渉方式だ」と強調した。

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