
アメリカ政府が、イランで経済悪化を背景に広がる反政府デモをめぐり、米国が介入する可能性を公に警告したことで、中東地域の緊張が高まっている。
これに対し、イラン政府はただちに「内政干渉だ」と強く反発し、断固とした対応を取る構えを示した。
米CNNなどの報道によると、ドナルド・トランプ米大統領は2日(現地時間)、自身が運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「イラン政府が平和的なデモ参加者に発砲し、暴力的に殺害するようなことがあれば、アメリカは彼らを救出に向かう」と述べた。これは、アメリカがイランの核施設を爆撃した昨年6月以来、7か月ぶりとなる発言である。
その上で「出動準備は既にできている」と付け加えた。トランプ大統領がが最近イランの核兵器および弾道ミサイル開発を阻止するための予防的な先制攻撃の可能性を示唆してきたため、今回の発言も強硬路線を踏襲したものとみられている。
トランプ大統領は先月フロリダ州パームビーチにある私邸マール・ア・ラーゴでイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談し、「イランが再び力を蓄えようとするなら、我々が彼らを叩きのめさなければならない」と言及した。アメリカは昨年6月、イスラエルのイラン空爆の際にイスファハン、フォルドゥ、ナタンズの3か所の核施設を爆撃した前例もある。
これに対し、イランは「内政干渉だ」と強く反発した。イラン国家最高安全保障会議(SNSC)のアリー・ラーリージャーニー書記は、SNS「X(旧ツイッター)」への投稿で「トランプ大統領がイランの内政に干渉すれば、地域全体を混乱に陥れ、米国の利益を損なうことになる」と警告した。
さらに「イスラエル当局者とトランプ大統領の発言を通じて、今回の事態の背景が明らかになった」と述べ、米国とイスラエルがデモを背後で扇動していると非難した。
イラン最高指導者上級顧問であるアリー・シャムハーニー氏は「イランの国家安全保障はレッドライン(越えてはならない一線)に達している。軽率なツイートをすべきではない」と非難した。モハンマドバーゲル・ガリバーフ議長は「外部情報機関関係者がデモを武装勢力による暴力事件に変質させようとしたが失敗した」とし、「米大統領の発言で、各地の米軍基地が全て正当な攻撃対象になったことを認識すべきだ」と脅迫した。
イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官は声明で、1953年のイラン・クーデターや1988年のイラン航空655便撃墜事件、イラン・イラク戦争時のサダム・フセイン政権への支援、さらに対イラン制裁などを挙げ、「アメリカが『イラン人を救う』という名目で何をしてきたか思い出すべきだ」と批判した。

イランでは昨年12月28日から通貨の急落や急激な物価高など経済悪化に抗議する反政府デモが全国に拡大。デモ隊と民兵との衝突で少なくとも7人が命を落としたとされ、イラン政府が本格的に強硬弾圧に乗り出しているのではないかと懸念されている。
今回のデモは、2022年に22歳の女子大生マフサ・アミニさんが、ヒジャブ(イスラムのスカーフ)を不適切に着用したとして逮捕され、死亡した事件への怒りをきっかけに起きた「ヒジャブ抗議デモ」以来、最大規模とされている。当時、20代の女性がヒジャブの着用を理由に拘束され、不審な死を遂げたことから、全国で反政府デモが拡大。イラン当局がこれを強硬に鎮圧し、少なくとも300人以上が死亡した。
















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