
中国は約2か月ぶりに開かれた中韓首脳会談で、最近表面化している日本との対立を意識したかのように、中韓両国の歴史的・戦略的な「共通項」を前面に押し出すとともに、台湾問題をめぐる韓国の立場を強調することに注力した。
5日、北京で行われた李在明(イ・ジェミョン)大統領と習近平中国国家主席との首脳会談を受け、中国側が公表した公式発表文は昨年11月1日に韓国・慶州で開かれた首脳会談時の発表文とほぼ同規模となる中国語約1,200字で公開された。
この日の中国の発表文に盛り込まれた習主席の発言を見ると「対韓政策は連続性と安定性を維持している」、「各自が選択した発展の道を尊重し、互いの核心的利益と重大な懸念を考慮しながら、対話と協議によって相違を適切に解決すべきだ」といった表現は、2か月前と大きな変化なく再び登場している。
AIやグリーン産業、シルバー経済を新たな協力分野として挙げた点や、両国が「真の多国間主義」を実践し、多国間貿易体制を守るべきだと提案した点もこれまでと同様の内容だった。
また、習主席は「中韓の経済連携は緊密で、産業網や供給網は深く絡み合っている」とし「発展戦略の連携と政策協調を強化し、共同利益の拡大を図るべきだ」と述べ、昨年の慶州会談で示した協力強化路線を改めて確認した。
一方で、中国が今回の発表文で新たに強調したのが、日本と台湾をめぐる問題だ。
習主席は「中韓は地域の平和を守り、世界の発展を促進するうえで重要な責任を担っており、幅広い利益の共通部分を有している」と述べ「歴史の正しい側に立ち、正しい戦略的選択を果断に行うべきだ」と語った。
さらに「80年以上前、中韓両国は大きな民族的犠牲を払って日本軍国主義に抗し、勝利を勝ち取った」とした上で「今日においても手を携え、第2次世界大戦の勝利の成果を守り、北東アジアの平和と安定を守らなければならない」と強調した。
第三国である日本を名指しし「抗日」という歴史的共通点を掲げ、それを地域の平和に対する両国の責任や共同利益と結び付ける論理だと受け止められている。
習主席はまた「保護主義に共に反対し、真の多国間主義を実践し、均衡の取れた秩序ある世界の多極化と普遍的で包摂的な経済のグローバル化を推進すべきだ」とも述べ、事実上、米国を念頭に置いた発言を繰り返した。
ただし、米国の名指しは避けた一方で、日本への言及が目立った点については、高市早苗首相の「台湾有事への関与」発言を契機とする日中対立の局面において、韓国の支持を取り付ける狙いがあるとの見方も出ている。
中国はこの日の発表でイ大統領の発言を紹介する際にも、日本と台湾の問題に重点を置いた。中国の発表文によると、イ大統領は習主席に対し「中韓は共に日本軍国主義の侵略に抗して戦った。中国が韓国の在中独立運動関連遺跡を保護してきたことに感謝する」と述べたという。
また、中国側はイ大統領が「韓国は中国の核心的利益と重大な懸念を尊重し『一つの中国』の立場を堅持する」と表明したとも説明している。こうした韓国の原則的な立場自体は新しいものではないが、2か月前の首脳会談時の中国側発表では特に強調されていなかった。
これに先立ち、中国中央テレビ(CCTV)もイ大統領が今回の国賓訪問前に行ったインタビューを放映し、韓国の「一つの中国」尊重の姿勢を前面に打ち出していた。
一方で、中国は今回の発表資料で、いわゆる「限韓令」に代表される大衆文化交流の問題や、黄海での構造物設置問題など、首脳会談で議論されたとされる中韓間の主要な懸案については触れなかった。イ大統領が「朝鮮半島の平和のため、実現可能な代案を韓中で共に模索する」と述べたとされる北朝鮮関連の発言も、発表文には盛り込まれていなかった。
















コメント0