
ノーベル平和賞受賞者でベネズエラ野党指導者のマリア・コリーナ・マチャド氏が、次期ベネズエラ指導者は自らが担うべきだとして、帰国を宣言した。
同時に、ドナルド・トランプ米大統領が主導するマドゥロ政権排除に向けた動きを高く評価するなど、米国に配慮する姿勢を一段と強めている。
マチャド氏は6日(現地時間)夜に放映された米「CBSニュース」のインタビューで、「ベネズエラの次期指導者になるべきだと思うか」と問われ、「もちろんだ」と述べた。
その根拠として、2024年の大統領選で野党候補だったエドムンド・ゴンザレス氏が、実質的に圧勝したとの認識を示した。
当時、政府と司法から被選挙権を剥奪されていたマチャド氏は、元外交官のゴンザレス氏を「代理候補」として擁立したが、公式結果ではニコラス・マドゥロ大統領に敗れた。ただし、米国や欧米諸国は、マドゥロ政権による開票不正を理由に、ゴンザレス氏を当選者として認定してきた。
マチャド氏は「2年前の実際の民意」に言及し、「ベネズエラ国民はすでに、誰が国を率いるべきかを選んでいる」と強調。「我々は国民の命令を受け、国民のために奉仕する準備ができており、喜んでそうする」と語った。
マチャド氏「トランプ氏とノーベル賞を共有したい」
マチャド氏は5日に公開された米「フォックス・ニュース」のインタビューでも、トランプ大統領によるマドゥロ政権排除に向けた動きは歴史的であり、ベネズエラの民主化に向けた大きな前進だと高く評価した。
「ベネズエラ国民を代表し、トランプ大統領の勇気ある使命に深く感謝したい」と述べ、自身のノーベル平和賞をトランプ氏と共有したいとの意向まで示した。
さらに「可能な限り早くベネズエラに帰国する」と宣言し、「自由で公正な選挙が行われれば、我々は90%以上の得票で勝利することに疑いはない」と主張した。
また、「ベネズエラを米州のエネルギー大国に育て上げ、国外に流出した数百万人を呼び戻し、中南米における米国の中核同盟国になる」との構想を語った。
トランプは冷淡、専門家も懐疑的
こうしたマチャド氏のラブコールにもかかわらず、トランプ大統領の反応は冷ややかだ。
トランプ氏は3日の記者会見で、マチャド氏について「現時点で彼女が指導者になるのは極めて難しい。国内で支持も尊敬もない」と述べ、「とても良い女性だが、尊敬されてはいない」と一蹴した。
野党側は、近く再選挙を実現させる米国の「より大きな計画」に期待を寄せているが、トランプ氏はこの見方にも否定的だ。
5日の「NBCニュース」のインタビューでトランプ氏は、「来月中に新たな選挙が行われることはない」と明言。「まず国を立て直さなければならない。国民が投票すらできない状況だ。時間がかかる。この国を再び健全な状態に戻す必要がある」と語った。
専門家も、トランプ政権がベネズエラの民主化に向けて追加行動に踏み切るとの野党側の期待には懐疑的だ。
英国を代表するシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)の中南米専門家、クリストファー・サバティーニ氏は、「野党指導者らは、何か大きな計画が進行中だと信じようとしているが、トランプ大統領はその期待を満たすつもりはなさそうだ」と分析した。
トランプ氏の関心は「石油利権」に集中

トランプ大統領の最大の関心は、ベネズエラの石油統制権にある。
マドゥロ拘束からわずか数日で、世界最大級とされる同国の石油利権を確保するため、迅速な動きを見せている。
トランプ氏は3日、米石油企業の参加による石油インフラ再建への意欲を示し、6日には、ベネズエラ暫定政府が最大5,000万バレルの原油を米国に引き渡す予定だと発表した。
この原油を市場価格で販売し、その収益を米国とベネズエラ双方に資する形で活用する考えだという。
制裁により国際市場で正常に販売できないベネズエラ産原油を米国が引き取り、「適正価格」で売却したうえで利益を分配する狙いだ。
トランプ大統領は9日、ホワイトハウスで石油会社幹部と会談し、ベネズエラの石油インフラ再建への投資計画について協議する予定だ。
同大統領は、石油インフラへの再投資を通じて、米国が安定的に石油を確保できるようになり、その結果としてエネルギー価格の引き下げ効果が期待できると強調した。
ベネズエラの石油利権確保、中国けん制の狙い
ベネズエラは、原油埋蔵量が3,000億バレル超とされる世界最大の保有国だが、左派政権下での国有化や米国の制裁、設備の老朽化などにより、生産量は大きく落ち込んだ。
エクソンモービルなどの米石油大手は、ウゴ・チャベス元大統領による2007年の国有化宣言後、資産を接収され、相次いで撤退した。
トランプ政権は、再投資を通じて米企業の損失の一部回収を図ると同時に、現在ベネズエラ最大の原油購入国である中国を牽制する狙いもあるとみられている。















コメント0