
英国半導体設計会社Armがソフトバンクグループ(SBG)傘下で人工知能(AI)データセンター市場を狙った事業多角化に拍車をかけている。
AI用データセンターに使用される演算用半導体分野で頭角を現し、主要事業者のCPU(中央処理装置)シェアが50%に達したと日本経済新聞が8日伝えた。
Armのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)は2025年11月の業績発表で、「かつてないほどコンピューティング需要が高まっている」とし、サーバー用半導体需要の見通しについて楽観的な見解を示した。
AmazonWebServices(AWS)やMicrosoftなど主要データセンター運営業者が独自に開発する半導体にArmの設計図が活用されている。またGPU(グラフィック処理装置)分野で高いシェアを持つNVIDIAのCPUにもArm技術が適用され、既存の競合であるIntelやAMDからの市場転換が加速している。
これによりAIサーバーを提供する大型データセンター用CPUの約50%にArmの回路設計(IP)が適用されていることが分かった。SBG傘下に編入された後、Armがサーバー分野に進出した時点は2019年であることを考慮すると、わずか5年余りで半分のシェアを確保したことになる。
半導体省電力設計に特化してきたArmはスマートフォン用演算処理半導体の99%に設計図を供給している。しかし、世界的なスマートフォン出荷量の増加が鈍化する中、サーバー用CPU分野への事業領域を拡大している。
2025年3月時点でArm設計図収益の中でサーバーなどクラウド関連の比率が10%を占めていた。ジェイソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)は「2026年3月には同じ比率が年間15~20%に増加する見込み」とし、持続的な成長に自信を示した。
このような成長の背景にはAI普及に伴うサーバー需要の急増がある。世界的にAIの核心的役割を担うサーバー用CPUに対する需要が大きく増加している状況だ。
Arm設計のCPUは省電力性能で強みを持つ。マーケティング担当のパンチ・チャンドラセカランは「大規模データセンター事業者の電力量当たりの運営性能が60%向上する」と説明した。データセンター運営業者が電力消費を削減するためにArm設計CPUを積極的に導入しているとの分析だ。
Armが次の段階で推進するのは独自半導体「Project Izanagi」の開発だ。ハースCEOは11月の説明会で「複数の半導体チップを組み合わせたチップレットや複雑なSoC(システムオンチップ)を扱う可能性を引き続き模索している」と述べた。
英国フィナンシャル・タイムズ(FT)はArmが独自に開発した半導体をMetaに供給すると報じた。ArmとMetaは昨年10月にクラウド分野でのパートナーシップを発表しており、データセンター用CPU供給が行われるとの観測が出ている。
SBGは2016年にArmを約3兆3,000億円で買収した。孫正義SBG会長兼社長は当時、「囲碁で言えば50手先を読んで布石を打つようなものだ」と表現した。
これを基にSBGは半導体企業の買収を続けている。AI半導体関連の英国GraphcoreとアメリカAmpere Computingを相次いで買収し、Armとのシナジー効果創出を図っている。
ただし、独自半導体開発は既存顧客の離脱懸念を招いている。顧客の半導体設計企業と競争関係に置かれる可能性があるためだ。独自半導体開発はArmにとって重要な転換点となる見込みだ。
孫会長は昨年6月の株主総会で「オールインするほどAIにベットしている」と述べた。累積5兆円を投資したOpenAIとともに孫会長が「欠かせない存在」と評価するArmの今後の動きが注目されていると日経は伝えた。
















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